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新人騎手の活躍

  • 2013年04月19日(金) 18時00分
 この4月から各地で順次デビューしている新人騎手が、順調に初勝利を挙げている。

 1番乗りは大井の笹川翼(ささがわつばさ)騎手で、4月9日の大井第1レースで、8番人気のアンルヴェプルミエに騎乗してのもの。デビュー3戦目での初勝利は、好スタートから4番手に控えると、直線を向いて先頭に立ち、後続を振り切っての完勝だった。2着に昨年船橋からデビューした山本聡紀騎手が入り、若手騎手同士でのワンツーともなった。

 2番目は川崎の瀧川寿希也(たきがわじゅきや)騎手で、こちらはデビュー当日4月15日の川崎開催。デビュー戦となった第1レースは5番人気で8着、続く第3レースは1番人気で4着だったものの、3戦目となった第4レースでも1番人気のジュウニントイロに騎乗し、見事に初勝利。4コーナー6番手の位置取りから、直線半ばであっという間に先頭に立っての完勝だった。

 そして3番目は、今年の新人騎手では紅一点、名古屋の木之前葵(きのまえあおい)騎手で、デビューから9戦目となった4月17日の名古屋第5レース。4番人気のオーバルライトで、4コーナーでは前2頭からやや離れた3番手だったものの、直線を向いて追い出されると、あっという間に前の2頭を交わし去った。そしてなんと、木之前騎手は翌18日の第1レースでも6番人気馬を勝利に導き、早くも2勝目を挙げている。

 これほど順調に新人騎手が初勝利を挙げるというのもめずらしいのではないか。3月31日付けで新たに免許を受けた新人騎手は9名だが、この18日までにデビューしたのは、上記の3名のほかには兵庫の小山裕也(こやまゆうや)騎手で、計4名のみ。

 地方競馬では通常、所属競馬場の開催でデビューを迎えるため、開催日程によっては5月になることもある。

 これからデビューを迎えるのは5名。北海道所属の石川倭(いしかわやまと)騎手、井上幹太(いのうえかんた)騎手は4月24日の今シーズンの開幕以降、浦和所属の寺島憂人(てらしまゆうと)騎手、見越彬央(みこしあきお)騎手は4月29日からの浦和開催で、船橋所属の木佐貫泰佑(きさぬきたいすけ)騎手は5月6日からの船橋開催でのデビューになると思われる。

 まずスゴイと思ったのは、大井、川崎からデビューした2名が、それぞれ最初の開催で勝利を挙げたことだ。南関東では若手に有力馬が回ってくる機会は少ない。しかも12頭以上の多頭数のレースが多い。そうした状況での初勝利は、褒められていいと思う。

 例年、騎手免許試験合格発表前の3月中旬に、那須にある地方競馬教養センターで取材の機会があるのだが、その際に担当教官にうかがったところ、今年は飛び抜けてうまい子はいないものの、平均してレベルが高いとのことだった。その教官の言葉どおり、今年の地方競馬の新人騎手は当たり年かもしれない。これからデビューを迎える5名にも注目だ。

1964年生まれ。グリーンチャンネル『地・中・海ケイバモード』解説。NAR公式サイト『ウェブハロン』、『優駿』、『週刊競馬ブック』等で記事を執筆。ドバイ、ブリーダーズC、シンガポール、香港などの国際レースにも毎年足を運ぶ。

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