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エーシントップ、キズナなどNHKマイルC&京都新聞杯分析

  • 2013年04月30日(火) 18時00分
 天皇賞春は単勝1.3倍の馬に本命を打ちながら、馬券圏内にも入らなかったこと。これはNo.1予想をはじめ、他媒体での予想も参考にしてくださった皆様には、本当に申し訳ない結果となりました。当日は中山競馬場でREXS(レーシングエキスパートセミナー)の講師を務めておりましたが、しばらく言葉が出ない状態になってしまったくらいです。

 申し訳ないという気持ちがあることを前提に、天皇賞春を振り返ると「仕方ない」というのが、今回の予想。トラックと坂路を併用して、本数多く調教している馬に適性が高いレースという前提があったので、トラック単一で、京都競馬場までの輸送を考慮して、いつもの最終追い切りよりも軽い内容だったフェノーメノが1着。中3週という間隔で、京都競馬場の芝で軽い追い切りだったレッドカドーが3着。確実に無印となる馬が馬券圏内に2頭も入ってしまっては、どうしようもありません。

 だからといって、来年の天皇賞春をフェノーメノやレッドカドーのような調教内容の馬を評価するかと言えば、答えはNO。これまで天皇賞春で高配当を的中させることができたのは、今年と同じアプローチで予想を組み立てたからこそ。これは天皇賞春に限らず、ほとんどの重賞レースで実行していることですから、これからも自分のスタンスを変えず、それでいて、しっかりと結果を出せるようにしていきたいところです。

 今週はNHKマイルC。人気の中心になるのは、重賞3勝を挙げているエーシントップになるでしょう。ハナにこだわらないレースをした前走が味な競馬。初コンビだった内田博幸騎手との呼吸も合っていたようですから、本番へ向けて、いろんな収穫があるレースだったのではないでしょうか。


DPでの普通キャンターを行っているエーシントップ

DPでの普通キャンターを行っているエーシントップ

凄みを感じさせてくれたレッドアリオン

凄みを感じさせてくれたレッドアリオン

 今朝30日も元気に坂路を駆け上がっていましたが、ここで使用した画像は26日のDPコースでのキャンターの様子。調教欄には坂路馬場での追い切り時計しか掲載されていませんが、普段から、DPでの普通キャンターを行っているのがこの馬の特徴。よって、個人的には距離適性はマイルというよりも、2000mまではなんとかこなせそうな、そんな仕様に調教で変化しているような気がします。単にガムシャラに走っていた2歳時とは一味違うといった感じです。

 エーシントップが勝ったNZTで2着だったのが、レッドアリオン。重賞は勝ち鞍こそないものの、3走してすべて掲示板に載る堅実さが特徴。ただ、この中間は坂路で15-15が時計になっているように、かなりパワーアップした印象を受けます。実際、1週前追い切りの坂路での併せ馬も迫力満点でした。

 そして、今朝の登坂の様子を見ていても、その印象は変わりません。というよりも、むしろ、もっと凄みを感じました。頭の位置が低く、地面をしっかりと捕まえて走るフットワークは頼もしさを感じさせてくれます。登坂前の運動時には少し煩い仕草を見せていましたから、強いて不安材料を挙げるなら、今のテンションでしょう。

 今朝の坂路でいい雰囲気を感じたのが、カシノピカチュウ。芝での勝ち鞍はなく、まだ1勝馬ではありますが、坂路での動きを見ていると、府中の直線で渋太く、競り合っているシーンがイメージできました。


今朝の坂路でいい雰囲気だったカシノピカチュウ

今朝の坂路でいい雰囲気だったカシノピカチュウ

内容も結果も残して、ダービーへ向かってほしいキズナ

内容も結果も残して、ダービーへ向かってほしいキズナ

 雨の影響を多分に受けた今朝の坂路でしたが、それも苦にすることなく、力強く駆け上がってきました。最終追い切りの内容次第では、印の評価も上位にすることを検討しなければいけないでしょう。

 京都新聞杯にはキズナが登場。前走毎日杯では、能力の高さを見せることができましたが、皐月賞は早々にパス。京都新聞杯からダービーというローテーションを組みましたが、京都新聞杯で賞金加算がなくとも、ダービーへの出走はほぼ確定でしょう。

 こういった場合、絶対に勝たないといけないレースではないので、馬券的に評価をさげるという方がいらっしゃいますが、個人的には、そんなレースでも勝ってくれると信じています。また、それだけの状態であると思いますし、1週前のCW追い切りでもそういったところを見せてくれています。内容も結果も残してから、ダービーへ向かってほしい、そんなレースがキズナの京都新聞杯だと思います。

◆次走要注意
・4/28 東京11R スイートピーS【タンスチョキン】(11人/10着)

 レースの中間の坂路の追い切り内容は抜群。調子は決して悪くないと思いますが、芝にこだわるレースの使い方で出世が遅れている。個人的にはそんな印象です。JRAに転入してから、ダートは2走していますが、いずれもメンバー最速の上がりをマーク。ダート適性は確実ですから、今の調子でダート戦へ出走すれば、間違いなく勝ち負けです。

[メモ登録用コメント] ダート戦出走なら勝ち負け

・4/29 福島4R 3歳未勝利【エーシンアプローズ】(12人/6着)

 スタートは普通も、初めての短距離戦ということで、前半置かれ気味になり、内枠ということで、前が詰まって、鞍上の手が休む場面もあった道中。それもあってか、直線では抜群の伸びを見せて、猛然の追い込み。馬群に怯むことない走りを見ていると、いつでも馬券圏内に入ってくれそう。今回の調教タイプが一杯平均坂路主体だったように、ハードな調教で、レースペースが速くなるような展開が理想。ただ距離は1200mから1400mくらいがベストでしょう。

[メモ登録用コメント] ダート1200mから1400mに一杯平均系統で出走なら馬券圏内

◆今週末馬券圏内
・5/4 東京11R プリンシパルS【マジェスティハーツ

 久しぶりだった、はなみずき賞は調教不足で10キロ減。状態は決して良くなかったはずですが、それでもレースでは後方から伸びて5着。力のあるところを見せてくれました。今回はひと叩きしたことで、明らかに上昇気配。できれば最終追い切りをCWでしっかりと追って、併せ先着。これが勝つパターンの追い切りだと思います。

[メモ登録用コメント] 最終追い切りをCWで一杯に追われて併せ先着なら勝ち負け

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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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