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NHKマイルCで狙いたい「そろそろ一発がありそうな」血統

  • 2013年05月03日(金) 12時00分
 NHKマイルCの出走メンバーで、エーシントップの実績は抜けている。6戦5勝(重賞3勝)、唯一の敗戦は朝日杯FSだ。半兄にジェネラルクオーターズ(ターフクラシックなど米GI・2勝)がいて、血統背景も素晴らしい。

 だが、どうも勝つイメージがわいてこない。朝日杯FSで人気を裏切ったせいかもしれないし、外国産馬の「エーシン」がGIに結びつかないせいかもしれない。

 さりとて、他の馬は一長一短。迷ってしまうが、血統の魅力で取り上げるならレッドアリオンだ。父のアグネスタキオンは過去にNHKマイルCの優勝馬を、2頭(ロジック、ディープスカイ)出している。2009年6月、11歳の若さで急死。翌年に生まれた現3歳(8世代目)が、最後の世代となる。

 ただ3年前の暮れ、レーヴディソールが阪神JFを勝って以降、産駒はGI勝ちから遠ざかっている。血統の勢いが下降線をたどっているのは確かだ。しかし、ラストクロップの一発は昔からよくある話。NHKマイルCあたりで、そろそろという気がしないでもない。

 母系も素晴らしい。母の全姉にエリモシック(エリザベス女王杯)がいる。母自身もオープンで活躍し、繁殖牝馬としても初仔にリディル(スワンS)、2番仔にクラレント(デイリー杯2歳S、NHKマイルC3着)、3番仔にレッドアリオンを出す好調さだ。母の父ダンシングブレーヴ(凱旋門賞)も、母系に入ってGIの底力を補強するから頼もしい。

 昨年の優勝馬カレンブラックヒルを送り出したダイワメジャーは、今年、多数の出走馬を送り込んでいる。コパノリチャードが最も人気を集めそうだが、未知の魅力という点ではガイヤースヴェルト。前走の毎日杯は初芝にもかかわらず、ハイペースを先行して抜け出し、キズナの2着に粘った。

 名種牡馬のグリーンダンサー(仏2000ギニー)が出た母系で、昨年の凱旋門賞馬ソレミアも同族。キャリアが浅いだけに惨敗も覚悟する必要があるが、この馬を穴に買ってみようと思う。

血統評論家。月刊誌、週刊誌の記者を経てフリーに。著書「競馬の血統学〜サラブレッドの進化と限界」で1998年JRA馬事文化賞を受賞。「最強の血統学」、「競馬の血統学2〜母のちから」、「サラブレッド血統事典」など著書多数。

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