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ヴィルシーナ、ドナウブルーなどヴィクトリアマイル分析

  • 2013年05月07日(火) 18時00分
 先週のNHKマイルCの勝ち時計が1分32秒7、2012年ヴィクトリアMの勝ち時計が1分32秒4。どうやら、春開催の東京芝1600mG1は「32秒台」と調教の内容に共通点があるのではないかと思っています。これに関しては、実際に印を打つ段階のNo.1予想で触れることにして、ここでは、ヴィクトリアMに出走予定の有力馬のレポートをお届けしたいと思います。


着順よりも内容が重視されたヴィルシーナ

着順よりも内容が重視されたヴィルシーナ

迫力に欠けるような印象のドナウブルー

迫力に欠けるような印象のドナウブルー

 まずは、前走大阪杯6着だったヴィルシーナ。友道康夫調教師が「メンバーが強くなるのは分かっていたけど、ローテーションを重視して選んだ番組」と話すように、着順よりも内容が重視された今回。掲示板を外してはしまいましたが、決して悪い内容ではなかったというのが陣営の見立て。

 私個人的には、前走時は最終追い切りの内容が軽く、いかにもひと叩きするという仕上げ。そのあたりが勝負どころでの反応の鈍さにも出たように思うだけに、この中間の機敏な動き、特に1週前のCWコースでのアドマイヤネアルコとの併せ馬はラストの反応が素晴らしく、叩いた効果が歴然としていました。

 今朝の坂路でも、駆け上がってくる際の重心が低く、手綱を緩めれば、15-15くらいは軽く出してしまいそうな勢い。最終追い切りは「輸送もあるので、軽めに」ということですから、あまり速い時計は出してこないでしょうが、状態に関しては文句ありません。あとは、今の高速東京芝をどうこなしていくか。

 2012年関屋記念を勝って、その勢いで3着、3着を続けたドナウブルー。2013年は飛躍の年になるかと思いきや、今年は10着続きの結果に終わっています。だからというわけではないのですが、4月17日にノーザンFしがらきから帰厩してからの表情を見ていても、今ひとつ迫力に欠けるような印象を受けます。

 昨年のヴィクトリアMは2着でしたが、その当時は怖いくらいの眼つきをしていて、いかにも走ってきそうという雰囲気がありました。それと比べると、怖くない、そんな感じです。1週前の坂路での追い切りは速い時計こそ出ましたが、併せた相手には遅れ。このあたりも気になる材料です。


福島牝馬Sを勝って参戦のオールザットジャズ

福島牝馬Sを勝って参戦のオールザットジャズ

変わり身を見せてきたジョワドヴィーヴル

変わり身を見せてきたジョワドヴィーヴル

 逆に昨年のヴィクトリアMでは2番人気の支持を受けながら、16着に敗れてしまったオールザットジャズ。こちらは昨年同様、福島牝馬Sをしっかり勝っての参戦。もしかすると、昨年の惨敗は中2週というローテーションが応えたという考え方もできますが、個人的には東京競馬場が初めてだったという原因が主だと思います。

 昨秋にも府中牝馬Sで東京競馬場に参戦していますが、この時はさほど負けていません。少しずつ、慣れが出ている状態で、今回が3回目の東京競馬場。今朝の坂路の様子を見ていても、昨年以上に気合が乗っていて、非常に良さそうな状態。レース当日に落ち着きのない様子を見せなければ、この馬本来の能力を発揮することができると思います。

 最後はジョワドヴィーヴル。長期休養明けだった京都記念は惨敗しましたが、前走中日新聞杯は直線、少しだけ脚を使って、勝ち馬から0.4秒差の6着。まだまだ本来の姿には遠いのでしょうが、変わり身を見せてきました。

 画像は1週前追い切り、川田将雅騎手が跨った内容でしたが、直線は結構、涼しい顔をしてのフィニッシュ。全体の時計が速く、松田博資厩舎としては好勝負時の調教内容でした。まだまだ攻めることができるとすれば、今週もしっかりと攻めて、東上してほしい、そんな気持ちで最終追い切りを見守りたいと思います。

◆次走要注意

・5/4 東京11R プリンシパルS【 マジェスティハーツ】(2人/3着)

 初めての東京競馬場への輸送で12キロ減の馬体重。これを心配しましたが、レース内容を見ると、さほど影響がなかったように思います。むしろ必要以上の後ろの位置取りでレースしたことが勝てなかった最大の原因だと思います。
 本来の中団あたりからの差し比べなら、重賞メンバーと対戦しても遜色ないはず。今回のダメージがなければ、次回も調教量豊富に仕上げてくるでしょうから、そうなれば勝ち負け必至。

[メモ登録用コメント] 標準多め併用で出走なら重賞でも勝ち負け

・5/5 新潟11R 新潟大賞典【 パッションダンス】(6人/1着)

 レース展開がベストだったとはいえ、アドマイヤタイシを封じての優勝には価値があります。また瞬発力に欠く馬なので、あの位置で競馬したことも勝てた大きな要因でしょう。
 また調教内容からは、最終追いで坂路終い最速ラップを踏んだのが今回。行きたがりやすい気性の馬ですから、終い最速ラップを踏めるかどうかは好走凡走の判断基準になりそうです。

[メモ登録用コメント] 最終追いで坂路終い最速ラップなら勝ち負け

◆今週末馬券圏内

・5/12 新潟10R はやぶさ賞【 モーニングムーン

 開幕週だった先週の新潟直線競馬、2レースは坂路調教馬が優勝。ローカル開催になると、トラック調教馬の好走もある直線競馬ですが、今開催は少し違うようです。
 モーニングムーンは中間の調教本数が順調で、1週に美浦坂路で併せ馬を追走先着。時計も速く、この舞台で好走する調教内容であることは間違いありません。

[メモ登録用コメント] 最終追い切りが美浦坂路で終い最速ラップなら勝ち負け

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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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