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宝塚記念を終えて

  • 2003年07月02日(水) 11時52分
 春クラシック二冠馬の出走にわいた宝塚記念は、春の天皇賞馬の優勝という結果に終りました。昨年の年度代表馬の一番人気は当然としても、よもやの5着の敗戦を目の前にして、改めて競馬のむずかしさを思い知ります。競馬の予想は、あくまでも過去の成績がその検討の基準になっています。

 ヒシミラクルという馬は、菊花賞馬でありながら天皇賞では7番人気という低評価でした。そして、宝塚記念は6番人気。肝心のG1戦ではいつもそれほど注目を集めてはいません。何故か、その辺の分析をしっかりしておかないことには、秋のG1シリーズは迎えられないのではないでしょうか。

 競馬の予想が過去の成績を大きな要因として取り上げている限り、ヒシミラクルのような馬は、ここまでは人気が上がらなくても仕方がなかったと思っています。菊花賞の前の神戸新聞杯が6着、春の天皇賞に向けて走った阪神大賞典が12着、大阪杯が7着では、止む得ないでしょう。宝塚記念を前に、ヒシミラクルはステイヤーとしての大きな評価を得ていたので、逆に2200mでは強調しにくいと、みんなが決めていたようでした。これほどの馬が、予想の下馬評で名前すら出て来ないというのも、終ってみれば不思議なものでした。

 そこで、ヒシミラクルの好走の条件をまとめておくと、前半のペースが遅くならず、底力のもとめられる流れ、そうであれば終始追いどおしでも、この馬の最もいい面、渋太さが発揮されるというひとつのかたちが見えてきます。秋は、2000mの天皇賞を視野に入れているので、その辺のことを念頭に、相手関係を見ることになるでしょう。

 ネオユニヴァースは、今年6戦目というスケジュールの面で酷なところがあったという敗因、シンボリクリスエスは、案外、デザーモ騎手とのコンビネーションがよくなかったと敗因を見ています。

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ラジオたんぱアナウンサー時代は、日本ダービーの実況を16年間担当。また、プロ野球実況中継などスポーツアナとして従事。熱狂的な阪神タイガースファンとしても知られる。

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