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船橋に新投票所オープン

  • 2013年05月17日(金) 18時00分
 前回のこのコラムではかしわ記念のことについて触れたが、大型連休最終日となったそのかしわ記念当日、船橋競馬場には新投票所がオープンした。

 場所は、スタンド裏のパドック。昨年までは昭和の雰囲気たっぷりの手売りの発売窓口だったところ。数カ月前から工事が行われていたのだが、いざオープンしてみると想像以上に立派な施設だったのでちょっと驚いた。施設の概要は、こちらの船橋競馬のリリースで。

 いざ足を踏み入れてみると、祭日のかしわ記念当日でたくさんのファンで賑わっていたこともあり、「おおっ!」と思った。

 何より、馬券の自動発払機の手前の高い位置にズラリと並んだモニターが壮観で、「アメリカみたい」だとも思った。

 北米の競馬場では、ぼくがたびたび足を運ぶようになった90年代にはすでに場間場外のネットワークが発達していて、中〜大規模な競馬場には、こうした馬券発売窓口とモニターがズラリと並んだ一角が必ずといっていいほどあったからだ。

 船橋競馬場・新投票所のモニターでは、さまざまな馬券のオッズだけでなく、場外発売が行われている他場のレース映像やオッズまでもが、ほとんど移動することなく見渡すことができる。

 地方競馬はバブル崩壊以降の長期低迷ゆえ、大井のL-WINGや門別のポラリスドームなど一部を除き、最近では施設の大規模な改修というのがあまり行われていない。馬券が単・複・枠連しかなかった時代から継ぎ足し継ぎ足しでオッズ表示のモニターなどを増設してきたため、一カ所で集中して情報を得られる環境は極めて少ない。

 船橋の新投票所は、平日水曜日の東京湾Cの日にも覗いてみたが、新しい施設だから当然といえば当然だが、かなり賑わっていた。

 競馬場に来て、とにかく馬券を買いたいというファンにはかなり快適だ。特に船橋競馬場の場合はパドックのすぐ横なので、パドック重視のファンにも便利だ。

 馬券売上げでは本場の割合がどんどん減っていいる時代だけに、馬券発売窓口が少なくなるのは仕方ない。しかしいくつかの地方競馬では、ゴール前やパドック近くの、ファンが多く集まる場所の窓口が閉鎖されているとこもある。ゴール前はもっとも古くに造られたスタンドで、老朽化がすすんでいるので仕方ない面もあるのだろう。それでもやはりファンにとっては不便だ。

 南関東でもほとんど毎日のように、南関東4場以外の広域場外発売が行われるようになり、今後もそうした場外発売はさらに拡大されるだろう。そうしたときに、船橋競馬場の新投票所のつくりは、施設改修の際などには他場でもぜひ参考にしてほしいところ。

 といったところで、気になっていることがひとつ。その船橋競馬場の新投票所だが、「新投票所」という以外に名称が示されていない。いつまでも「新投票所」のままなのだろうか。せっかく機能的で立派な施設なのだから、ファンから募集するなどして施設の愛称をつけたほうがいいと思うのだが。

1964年生まれ。グリーンチャンネル『地・中・海ケイバモード』解説。NAR公式サイト『ウェブハロン』、『優駿』、『週刊競馬ブック』等で記事を執筆。ドバイ、ブリーダーズC、シンガポール、香港などの国際レースにも毎年足を運ぶ。

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