スマートフォン版へ

JRA馬券発売との連携

  • 2013年05月31日(金) 18時00分
 ばんえい帯広競馬場と、その専用場外施設(レラスポット北彩都、ミントスポット北見、ハロンズ釧路、琴似駅前場外)が、それぞれJ-PLACEとして6月8日からJRAの馬券を発売することが発表された。

 J-PLACEとしての馬券発売は、主催者単位で見ると、道営、大井、名古屋、金沢、兵庫(DASHよかわのみ)、高知などに続いてのこと。JRAの専用システムでの地方競馬における馬券発売と併せると、中央・地方の馬券発売の連携もかなり進んだ。ばんえい十勝によるJRAの馬券発売は、地方競馬共同トータリゼータシステムでのJRA馬券発売の計画が立ち上がった時から強い希望があり、ようやくの実現といったところだろう。

 07年度から帯広での単独開催となっているばんえい競馬は、近年、馬券の売上げがなかなか伸びず苦戦が続いている。しかし今シーズンは4月14日の開幕からナイター開催を行い、売上面ではまずまずのスタートダッシュを見せた。J-PLACEが稼働した際には、JRAの馬券を買いに来たファンにもそのまま競馬場や場外発売所にとどまってもらい、あらたなばんえい競馬ファンの獲得を期待したいところだろう。

 ばんえい以外の地方競馬は、昨年10月からスタートしたJRA-IPATでの馬券発売によって、たとえば高知競馬などは馬券の売り上げをかなり伸ばしているが、残念ながらばんえい競馬は、競馬自体が異なるため、今のところJRA-IPATで馬券が発売される予定がない。それゆえ販路拡大のためには、J-PLACEとしてJRAの場外発売をすることへの期待は大きい。

 ただしJRAのファンが地方の競馬場や場外に来るからといって、期待しているほど売り上げが伸びるかどうかは、フタを開けて見るまでわからないというのが正直なところ。

 かつて地方競馬場の施設内でJRAの馬券が発売されるようになった初期のころには、JRAの馬券目当てにファンの来場は増えたものの、目の前で行われている馬券の売り上げが食われてしまうということもあった。ただ、ナイター開催で行われる時期のばんえい競馬の場合、最初のいくつかのレースを除いて、レースの時間帯がずれているため、少なくとも売り上げが食われてしまうということはなさそうだ。

 それでちょっと残念に思うのが、昨年度まで行われていた、レース中継の解説がなくなってしまったこと。正確には、テスト的に形を変え限定的に行わっているようだが、昨年度まで行われていた専門誌トラックマンによる解説はなくなってしまっている。

 帯広競馬場や付随する場外施設にJRAの馬券を買いに来たファンをばんえい競馬に呼び込むためには、ばんえい競馬の馬券も買ってみたいと思わせるような新たな情報発信が必要だと思う。

1964年生まれ。グリーンチャンネル『地・中・海ケイバモード』解説。NAR公式サイト『ウェブハロン』、『優駿』、『週刊競馬ブック』等で記事を執筆。ドバイ、ブリーダーズC、シンガポール、香港などの国際レースにも毎年足を運ぶ。

バックナンバー

新着コラム

アクセスランキング

注目数ランキング