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「栗東3強」の宝塚記念1週前調教レポート

  • 2013年06月11日(火) 18時00分
 いつも、週末に行われるレースを取り上げて、レポートさせていただく当コラム。ただ、今週の重賞は調教をライブで見ることができない函館SS、そして、3歳ダート重賞のユニコーンS。これらのレースについては、馬券総合倶楽部もしくはNo.1予想のコラムを参考にしていただくとして、ここでは、宝塚記念1週前の「栗東3強」のレポートを行いたいと思います。

 まずは、大阪杯後、栗東に在厩したまま、調整が続けられているオルフェーヴル。トレセンニュースなどでもお伝えしたように、この中間はCWコースでのキャンター、追い切りを取り入れての調整。その様子を見ていると「これは完成への最終形だな」と思わされました。そのくらい、CWコースにも慣れて、走りにも余裕を感じる印象でした。今朝の登坂も安定感のあるフットワークで、しっかりと駆け上がってきました。


今週まで併せ馬を一度も行っていないオルフェーヴル

今週まで併せ馬を一度も行っていないオルフェーヴル

闘争心に満ちた表情のジェンティルドンナ

闘争心に満ちた表情のジェンティルドンナ

 ただ、気になるのは、今週までの段階で、併せ馬を一度も行っていないこと。早い時期から時計を出していたということで、仕上がっているという判断なのかも知れません。しかし、これまでの好走時は中間の追い切りでほとんど併せ馬が行なわれています。これに加えて、速い時計を出していないということ。もちろん、1週前追い切りで、どちらの懸念材料もクリアされる可能性はありますが、現時点では、絶対的とは言えないように思います。

 ドバイシーマクラシック以来となる、ジェンティルドンナは、5月15日にノーザンFしがらきから帰厩。時計を出し始めたのは、5月22日からなので、調教本数自体は多くありませんが、6月7日にはCWコースで普通キャンターを乗るなど、運動量自体は豊富。2週前追い切りでは、馬なりで併せた相手を退けており、その動きは上々でした。

 今朝も坂路を2本駆け上がっていますが、画像を見ていただいてお分かりのように、闘争心に満ちた表情。これがジェンティルドンナの調子のバロメーターだと思うので、現時点で、海外遠征の疲れなどを気にする必要はないと思います。

 そして、ゴールドシップ。今朝11日は、もちろん追い切りではありませんが、内田博幸騎手が美浦から駆け付けての調整。普段から、ジョッキーが跨ってコンタクトをとる、この方法で、天皇賞春5着からの巻き返しを狙います。


表情は真剣、目つきも普段とは違うゴールドシップ

表情は真剣、目つきも普段とは違うゴールドシップ

 個人的な感想として、今朝の調整を見ていると、ジョッキーに跨ってもらって正解だと思います。舌を出すシーンは以前と変わりませんが、これは先週も同じ。むしろ、吉澤ステーブルWESTでリラックスできたのでしょう。舌を出していても、表情は真剣、目つきも普段とは少し違います。これでゴールドシップが「走らなきゃ」と思ってくれるようなら、しめたもの。前走時のように、勝負どころで置かれることなく、スタートから、しっかりと前に付けてくれるのではないでしょうか。もちろん、1週前追い切りを含めた、今後の追い切り過程を見てみないことには、最終的な判断はできません。

 フェノーメノの状態をライブで確認できないことは残念ですが、せめて、この栗東3強の順位付けは間違うことのないように、予想を組み立てたいと思います。

◆次走要注意
・6/8 東京7R 3歳未勝利【オリオンザミラクル】(8人/5着)

 休み明けということで、追い切り本数は少なく、最終追い切りの動きも平凡。パドックでの気配も馬体も、決して目立っていませんでしたが、レースになると、最後の直線で末脚に見どころがありました。次走は追い切りの本数を強化して、最終追い切りの動きも良化するでしょうから、そうなれば狙い目。

[メモ登録用コメント] 次走追い切り本数が標準以上なら勝ち負け

・6/9 阪神5R 2歳新馬【ティーエスハーツ】(3人/4着)

 スタートがあまり速くなかったことがあり、道中の位置取りが後方。その上、内に包まれる展開となり、一瞬の切れがない本馬にとっては非常に厳しい展開。伸びてきた頃にはゴールしているという流れで終わりました。ただ、ひと叩きして良くなりそうなタイプでしたし、次走はレースぶりも変わってくるはず。厩舎の先輩、ミヤジタイガほどではないにせよ、すぐに勝ち上がってオープンで活躍してくれるです。

[メモ登録用コメント] 芝1600m以上に出走なら勝ち負け

◆今週末馬券圏内
・6/15 函館11R HTB杯【ファインチョイス

 二段階降級なので、人気は承知の上。それでも狙いたいのは、領家政蔵厩舎の勝負調教だから。そもそも、函館競馬場で連勝した馬。この舞台が合うのは当然ですし、それを見越して、厩舎サイドも使っていると思います。

[メモ登録用コメント] 最終追い切りを函館Wで馬なり5F68秒台、1F12秒前半なら勝ち負け

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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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