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宝塚記念の話題から“新人バレット”さん秘話

  • 2013年06月18日(火) 18時00分
オルフェーヴルの回避こそあったものの、ジェンティルドンナ、ゴールドシップ、フェノーメノの3強対決が実現する宝塚記念。今週は、その宝塚記念の話題から、小牧さんを担当する“新人バレット”さんのお話まで、盛りだくさんの内容でお届けします!

■もう“人情”の時代ではなくなったんやね

フェノーメノがいいかな

フェノーメノがいいかな

──今年の宝塚記念は、豪華メンバーの競演が注目を集めています。ユーザーからも「オルフェーヴル(※6月13日に回避を発表)、ジェンティルドンナ、ゴールドシップ、フェノーメノの4頭のなかで、小牧さんが一番乗ってみたい馬はどの馬ですか?」という質問が届いています。
※この取材は5月の後半に行われたものです。

小牧 ん〜、積極的に乗ってみたいと思う馬はおらんねぇ(笑)。でもやっぱり、強い! と思うのはオルフェーヴルやね。乗りやすそうなのはフェノーメノ。乗せてもらえるんやったら、フェノーメノがいいかな。

──この春、ゴールドシップは、天皇賞(春)でまさかの惨敗。

小牧 僕、あのレースは乗っていなくて、レースのころはすでに競馬場を出てしまっていたんやけどね。タクシーでちょうど長岡京の駅に着いたときがスタートで、さすがに気になったからそのまま降りずに、運転手さんと一緒にラジオ中継を聴きましたわ。映像は家に帰ってからゆっくり観たんやけど。

──小牧さんから見て、敗因は何だと思いますか?

小牧 走る気がなかったんでしょう。あとは、目に見えない疲れがあったとか。そのくらいしか考えられへんよね。

──内田さんご自身が首をかしげていましたからね。ジェンティルドンナは、ジャパンCでオルフェーヴルとは4キロあった斤量差が、今度は2キロ差になります。この2キロはやはり大きいと思いますか?

小牧 大きいでしょうね。斤量差って、乗っているときはあまり感じないけど、“減量騎手”がいるくらいやからね。ジェンティルドンナにとっては大きいと思うわ。

──あとは、オルフェーヴルの凱旋門賞での騎乗が、昨年に続いてスミヨン騎手に決まりました(宝塚記念回避により、今後のスケジュールはいったん白紙に)。池添騎手は凱旋門賞に乗るために、この春、フランスに修行に行ったわけですが…。

小牧 やっぱり勝つために万全の態勢をしこうと思ったら、僕が馬主さんでもスミヨンを乗せるかもしれんね。池添くんがどうこうではなくてね。ただ、彼もやることはやったんじゃないですか。やっぱりやることやらんで持っていかれるよりは、やれることをやっての結果やから、気持ちも違うやろうし。

──池添さんもフランスに行く前から、行っても乗れないかもしれないというのは覚悟していらしたようですしね。

小牧 うん。オルフェーヴルにとって最後のチャンスやからね。やっぱり、コースを知ってるというのは大きいと思う。今の時代、とにかく勝たなアカンもんねぇ。そのあたり、昔と違うわ。コディーノの乗り替わりもそうやけど(ダービーで横山典騎手からウィリアムズ騎手へ)、今は勝っていかんことには、すぐに…ね。もう人情でどうこうの時代ではなくなったっていうことやね。

──話は変わりますが、少し前から娘さんが小牧さんのバレットをされているそうですね。

小牧 そうそう。今はまだ修行中やけどね。競馬を全然知らんけど、一生懸命やってるわ。

──父親の仕事を間近で見られるのは貴重だと思います。

小牧 そうやね。いつもボーっと口を開けて、焼酎を飲みながらテレビを観ている僕しか知らんからね(笑)。彼女なりに考えるところがあるんちゃう?

あいつ“チクリン”やわ(笑)

あいつ“チクリン”やわ(笑)

──小牧さんご自身は、娘さんが仕事場にいる状況はいかがですか?

小牧 自分のペースを崩さんようにやっているつもりやけど、やっぱり気を遣うね。そういえば、嫁さんにいろいろチクられとるわ(笑)。この前、嫁さんに「最近、負けたときとか、相当悔しがってるらしいやん」とか「“疲れた、疲れた”ばっかり言うてるらしいんやん」とか言われて。「なんで知ってんの!?」って。あいつ“チクリン”やわ(笑)。

──母と娘はなんでも話しますからね(笑)。バレットになってからは、娘さんと競馬の話をしたりするんですか?

小牧 いや、競馬にはまったく興味がないみたいやから。さすがに僕が騎乗しているレースはモニターで見てるんやろうけど、GIが始まってもモニターの前に行かんと、普通に座ってるもん(笑)。でも逆に「あの馬、どうなの?」なんて言うようになったら、僕が嫌やわ(笑)。

──でもいいですね。なんだか羨ましいです。

小牧 子供がバレットをできる年齢になるまでジョッキーを続けられる人は、なかなかおらんからね。本人にとっても、貴重な体験かもしれんね。

【次回の太論は?】
5月から6月にかけて、めずらしく1か月以上勝ち星から遠ざかっていた小牧騎手ですが、6月3週目には3勝をマークしました。次週はベストレース、ワーストレースを振り返るとともに、勝てなかった1か月の心境にも迫ります!
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太論 / 小牧太
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1967年9月7日、鹿児島県生まれ。1985年に公営・園田競馬でデビュー。名伯楽・曾和直榮調教師の元で腕を磨き、10度の兵庫リーディングと2度の全国リーディングを獲得。2004年にJRAに移籍。2008年には桜花賞をレジネッタで制し悲願のGI制覇を遂げた。その後もローズキングダムとのコンビで朝日杯FSを制するなど、今や大舞台には欠かせないジョッキーとして活躍中。

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