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誘導馬としての活躍

  • 2013年06月21日(金) 18時00分
 来週はいよいよ帝王賞。5月のかしわ記念もそうだったように、フリオーソ引退後の地方勢は、なかなかこうした舞台で互角に戦えるような有力馬が出てこない。対照的に中央勢は、まさにダートチャンピオン決定戦というメンバーが集まった。6頭すべてがGI・JpnI勝ち馬で、しかもそのうち5頭が昨年秋以降にGI・JpnIを制したという、いわば旬な馬ばかり。該当しない1頭はテスタマッタだが、それにしても昨年はフェブラリーSを制し、前走さきたま杯を制してここに臨む。

 その帝王賞でもうひとつ話題になっているのが、07年に帝王賞を制し、昨年の東京大賞典を最後に引退したボンネビルレコードの誘導馬デビューだ。

 地方所属馬の場合、牝馬ならともかく、牡馬の場合はよほどの活躍馬でも種牡馬になれることはまれで、引退すると行方がわからなくなってしまうということもめずらしくはない。

 ちなみにボンネビルレコードがダートグレードのタイトルを獲ったときは中央所属だったが、そのダートグレード3勝の鞍上はいずれも大井の的場文男騎手。デビューしたのも引退したときも大井所属だったこともあり、人気は地方でのほうが圧倒的だった。

 それゆえボンネビルレコードが、自身の制した帝王賞での誘導馬デビューするというのは、すでにファンの間でも相当な話題となっているようだ。

 2年ほど前には、06年に東京ダービーを制したビービートルネードが、かつて所属していた川崎の誘導馬として登場するということがあったが、こうしたことは現役時代の馬主さんや、その後の所有者(乗馬クラブなど)などの協力があってこそ。ファンにしてみれば、かつての引退馬に再会できる貴重な機会だ。それでもこうしたことがあれば、競馬場のみならず、ネットなどでもその馬の現役時代のことが話題になるだろうし、新しいファンにとってはかつての活躍馬の現役時代を知る貴重な機会にもなる。

 JRAでは、フェブラリーSなどを制したサクセスブロッケンが誘導馬となり、日々の様子がFacebookで伝えられたり、また競馬場では「誘導馬・サクセスブロッケン」という名刺が配布されるなどして話題となっている。

 それでひとつ提案があるのだが、サクセスブロッケンは大井の東京大賞典も制している。年末の東京大賞典にサクセスブロッケンに来てもらい、誘導馬としてボンネビルレコードと揃い踏み、なんてことがあれば、ファンはさらに盛り上がると思うのだが、どうだろう。

1964年生まれ。グリーンチャンネル『地・中・海ケイバモード』解説。NAR公式サイト『ウェブハロン』、『優駿』、『週刊競馬ブック』等で記事を執筆。ドバイ、ブリーダーズC、シンガポール、香港などの国際レースにも毎年足を運ぶ。

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