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エクスペディション、マックスドリームなど七夕賞分析

  • 2013年07月02日(火) 18時00分
 先週のラジオNIKKEI賞は、当コラムで取り上げた、カシノピカチュウに◎を打っていれば…、というレースでしたが、栗東所属馬の同レースでの成績を重視した結果、△を打つのがやっと。実際、勝っていないのですから、最終的に重視した「最終追い切り場所が南W」というもので良かった(1着ケイアイチョウサンはこの追い切りに該当)と思います。ただ、単勝と複勝をメインで馬券を組み立てる私にとっては、複勝920円を逃がしたことをどうしても後悔してしまいます。

 客観的な調教データはあくまで「アプローチ」。やはり最終的な「パット」で的中を決めるには、主観的な自己判断が必要になります。まだまだ、経験不足な自分自身を攻めるしかありません。今週はどんなアプローチとパットで的中することができるか、競馬予想TV!の第15シーズンも最終戦ですし、悔いを残している場合ではありません。

 七夕賞のアプローチとして、こんな優秀な調教データがあります。

★最終追い切り場所が「栗東坂路」[5-2-3-12] 単回収470% 複回収151%

 福島芝2000mといえば、トラック調教が有利なレースですが、それは下級条件に多く見られる傾向。オープンや重賞になると、道中の淀みない流れが、上がり時計を要するレースにさせ、最後は坂路調教のパワーが重要になるといったところでしょう。先週のラジオNIKKEI賞とは、たった200mしか差のない距離ですが、3歳戦と古馬戦という年齢条件も調教傾向の違いを生んでいます。

不安は残るマックスドリーム

不安は残るマックスドリーム

 ここでは、この調教条件に該当しそうな馬を取り上げていこうと思いますが、まずはマックスドリーム。春開催の福島芝2000mで行われた福島民報杯では2着。それ以来のレースとなりますが、当時よりも2キロ軽いハンデでの出走。当時は勝ちに行った分、最後はマイネルラクリマに差されたというレースでした。

 今朝のキャンターには、藤岡康太騎手(レースでは古川吉洋騎手が騎乗予定)が跨っていましたが、抑え切れないくらいの手応えで駆け上がってきました。鞍上の頬の緩み具合から、とても良い状態なんだろうということが窺えましたが、問題は休養明けの実績がないということ。また、前走後に宮徹調教師にレース内容について、コメントをもらった際「2000mは微妙に長いかな」と分析されていたので、不安点は残ります。

状態良好のタガノエルシコ

状態良好のタガノエルシコ

「夏牡」エクスペディション

「夏牡」エクスペディション

 現時点で抽選対象のタガノエルシコは昨夏の小倉日経オープンで、コーナー4つの芝1800mを2着。この距離でも十分に対応できると思いますが、問題は、今の福島芝が先週のラジオNIKKEI賞のように、外を回ると全滅の馬場。

 ただ、8歳でも状態の良さは目立ちますし、中2週というローテーションもこの馬にとっては、複勝率67%の好成績ローテ。ここで好走があっても、全く驚けない状態であることは間違いありません。

 エクスペディションは「夏牡」といっていいくらい、夏場に良績を残している馬。中間はトラック調教と坂路調教を併用しており、最終追い切りは坂路馬場ということになりそう。七夕賞には、もってこいの調教内容だと言えるでしょう。

 しかし、昨年の七夕賞は最終追い切り栗東坂路で8着。この調教データを強調材料にするわけにはいきません。昨年の出走時は休養明けだったので、今年はひと叩きしたことで状態が違うという理由付けはできますが、前走が休養明けで好走。人気を背負うことを考えると、決して、簡単に本命視できない背景があります。ただ、今朝の坂路でのキャンターを見ていても、元気いっぱいであることは間違いありません。

 ここまでの文章でもお分かりのように、七夕賞は悩み中。同様に、プロキオンSも悩んでいますが、こちらはアプローチデータが少ないというのが難点。昨年から中京ダート1400mになったということが、その最大の要因です。

 今朝の坂路での出走予定馬の様子を見ていて、最も気になったのはエアウルフ。この中間の調教量が豊富である点は調教欄を見ていただければ、お分かりだと思いますが、とにかく元気いっぱいという感じ。今朝も坂路でのラスト1Fは15秒を切っており、やる気満々といった感じ。

元気が良いエアウルフ

元気が良いエアウルフ

 この時期になると、目の周りが黒くなってきて「夏負けの兆候」と言われることもありますが、エアウルフも少し目の周りは黒くなっています。しかし、他の部分には夏負けの兆候は見られませんし、これだけ元気が良ければ問題なし。そもそも夏に弱いというタイプでもありませんし。この馬が最終追い切りで角居勝彦厩舎の勝負調教に該当するようであれば、それを決め手にして、本命を打つ可能性もあります。

 いずれにせよ、週末までにデータ整理と追い切り観察を行って、No.1予想もしくは馬券総合倶楽部で予想コラムを仕上げたいと思いますので、どうぞご期待ください。

◆次走要注意

・6/29 福島10R 猪苗代特別【タンスチョキン】(5人/9着)

 毎週、除外との戦いになり、ようやく出走したのが、福島ダート1700m。輸送に加えて、ダートは初めての最長距離。しかも、先行しては、脚がなくなるのは当然。
 持ち味は短い距離で、アクセルをふかした時は一気に前を捕まえる競馬が理想。ひと息入れて、目標を定めて仕上げれば、このクラスでも十分に通用します。

[メモ登録用コメント] ダート1400m以下の距離で坂路追い切りが終い最速ラップなら勝ち負け

・6/30 中京5R 2歳新馬【ラインハート】(3人/3着)

 阪神開催でのデビューを延期して、再仕上げでの出走。短期放牧から帰厩して、栗東で積んだ追い切りの量を考えれば、この3着は価値があります。
 もともと、須貝尚介調教師の期待も大きい馬。ひと叩きした効果は大きいはず。

[メモ登録用コメント] 須貝尚介厩舎の勝負調教に該当すれば勝ち負け

◆今週末馬券圏内

・7/7 函館11R マーリンS【トウショウカズン

 前走は初めてのダート1700mに休養明けという悪条件。しかも、トップハンデを背負わされており、11着という結果も仕方ないところ。
 今回は実績ある中1週。あとは最終追い切りを函館Wで行って、領家政蔵厩舎の勝負調教に該当すれば、勝ち負けして当然だと考えています。

[メモ登録用コメント] 最終追い切りが函館Wなら勝ち負け

競馬に強くなる調教欄の取扱説明書

競馬に強くなる調教欄の取扱説明書

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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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