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ツルマルレオン、オースミイチバンなどバーデンバーデンC&ジュライS分析

  • 2013年07月09日(火) 18時00分
 今週の重賞は函館記念。トウケイヘイローのように、1週前追い切りは栗東で行ってくれた馬もいますが、最終追い切りは当然のように、現地で行う馬がほとんど。よって、出走馬は函館競馬場へ入厩しているため、馬の様子をレポートすることはできません。

 ただ、函館記念には非常に頼りになる調教データがあります。それが「最終追い切りを函館Wで行い、5F時計が65秒台」というもの。これは、100%激走シリーズの超抜のデキ(競馬王新書)に掲載した内容ですが、2011年1着キングトップガン、2012年2着イケトップガンと、2年連続で連対を果たしています。

 現時点では、最終追い切りの時計が全く分からないので、前走時の時点で、函館Wで時計を出していたところで、注目したいのは、サトノギャラント、サンディエゴシチーといった、巴賞組。当然、他にも前走より攻めを強化してきて、5F時計が速くなる馬がいるかも知れませんが、とにかく最終追い切りには注目。

 ただ、自分が取り上げたデータに、水を差すようなことになりますが、過去2年が「Bコース」で行われていたのに対し、今年は「Aコース」。Aコース時代には、一杯平均系統の調教タイプが好走していたので、どちらを重視するのか。最終的には、No.1予想で結論を出すことになりそうです。

 さて、今朝9日の栗東は閑散としたもの。というのも、セレクトセールが行われている関係で、ほとんどの調教師が不在。これにともなって、取材する側の記者も少ない印象。火曜日としての調教自体は普段通りでしたが、本州では重賞がないということも、静かな雰囲気になった要因かも知れません。

「らしさ」がないツルマルレオン

「らしさ」がないツルマルレオン

 今週はオープン特別が行われますが、福島のバーデンバーデンCには、ツルマルレオンが出走予定。CBC賞を予定して、調整が進められていましたが、最終追い切り前日に筋肉痛を発症して、追い切りを中止、レースも回避することになりました。

 その週末からは、坂路でのキャンターを再開。翌週には追い切りもこなしています。しかし、個人的には、この一頓挫は大きなマイナスになると思います。普段は、毎日ように坂路でのキャンターを欠かすことなく、駆け上がっている馬が、筋肉痛により、火曜日、水曜日、木曜日、金曜日と、4日間も坂路馬場をお休み。その影響なのか、今朝の坂路でも唸るような雰囲気を感じませんでした。最終追い切りで、やっぱりこの馬らしい、1Fの伸びを見せるような動きをしてくれれば、評価は違ってきますが、現時点では、あまり高い評価をするつもりはありません。

舞台の合うスズカセクレターボ

舞台の合うスズカセクレターボ

強く推せるオースミイチバン

強く推せるオースミイチバン

 逆に、今朝の気配で目立ったのが、マイネルエテルネル。函館SSに出走後、栗東へ戻ってきましたが、普通なら疲れを心配するところ。ところが、元気よく、乗り手も引っ張り切れないくらいの手応えで駆け上がったのが、今朝の坂路のキャンター。暑い時期は大の得意かも知れませんから、状態面からは強調できると思います。

 中京競馬場で行われるオープン特別がジュライS。こちらのレースに出走予定の状態で推せる馬はスズカセクレターボ。前走アハルテケSは1400mから1600mという距離延長で、前に行って、なし崩しに脚を使ってしまう競馬。最後は伸びきれませんでしたが、3走前に勝っているこの舞台なら、うまく脚を使ってくれるはず。

 今朝の坂路では「元気のいい馬が駆け上がってきたなあ」と思うと、セクレターボだったという感じ。この中間も時計の速い追い切りを何本もマークしているように、今が状態のピークでしょう。

 しかし、調教データから強く推したいのは、オースミイチバン。「競馬に強くなる、調教欄の取扱説明書」に記した、中京競馬場に理想的な、日曜左回りのDP追いをこなし、最終追い切りは坂路ということになりそう。あとは、この馬自身、前走時の最終追い切りが坂路でラスト1F12.4秒だったので、この数字はひとつの目安になりそうです。

◆次走要注意

・7/6 中京1R 2歳未勝利【エイシンソルティー】(4人/2着)

 新馬戦をダートでデビューしたものの、2戦目が芝になったのは、初戦に騎乗したジョッキーから「芝も大丈夫」という進言があったから。
 前半は流れに乗れない場面もありましたが、直線、追われてからの伸びはなかなか。これなら十分に芝でもやっていきそうです。

[メモ登録用コメント] 西園正都厩舎の勝負調教に該当すれば勝ち負け

・7/7 福島11R 七夕賞【ファタモルガーナ】(11人/6着)

 休養明けで小回りの芝2000m。条件としては、決して適性ある舞台ではなかったと思いますが、しかし、レースでは後方から勝負どころで脚を使って、大外から伸びる競馬。
 よく、あそこまで差を詰めたという感じなので、次走が新潟記念なら、かなり狙えるのではないでしょうか。

[メモ登録用コメント] 次走新潟記念に出走すれば馬券圏内

◆今週末馬券圏内

・7/13 中京9R 志摩特別【ラヴァーズポイント

 新馬、小倉2歳S3着と夏場に実績ある馬ですが、その後は馬体重を減らして惨敗続き。今回は休養して、馬体はふっくら。それにより、追い切りの動きも良化してきました。
 手綱を握る予定の酒井学騎手も追い切りの動きで手応えを掴んでくれているので、あとは最終追い切りで軽快な動きができれば。

[メモ登録用コメント] 最終追い切りがCWでラスト1F12秒前半なら馬券圏内

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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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