スマートフォン版へ

アムールポエジー、サトノプリンシパルなどレパードS分析

  • 2013年07月30日(火) 18時00分
 先週のアイビスSD。当欄で取り上げた、ハクサンムーン1着、リトルゲルダ3着にも関わらず、週末のNo.1予想では、ヤマニンパピオネを本命にする「浮気」心で、あえなく撃沈。決して、ハクサンムーンに人気が集中したから、とか、ヤマニンパピオネが人気薄で妙味があったからということではありません。

 No.1予想にも記しましたが、ハクサンムーンの最終追い切りは決して高く評価できる数字ではありませんでした。もちろん、追い切った時間帯がたっぷりと水分を含んだウッドチップだったことは承知していましたが、それでも、いつも通りの追い切り時計を出してくれると思っていたんです。その1時間ほど前に、ヤマニンパピオネが絶好の動きを見せた残像も残っていたので「この馬しかない」という「本気」での印変更でした。

 結果がすべての予想業。17着の惨敗は、お詫びのしようもないくらい。本当に申し訳ありませんでした。ただ、そういった気持ちはあっても、ハクサンムーンを本命にしておけばよかったという後悔の気持ちはありません。主観的にも、客観的にも、ヤマニンパピオネに決めたことには変わりありませんし、それで良い結果が出た時も幾度となくあります。これからも、こんな考え方で予想を続けていきたいと思いますので、どうぞ、お付き合いいただければ幸いです。

 今週の重賞はレパードSと小倉記念。昨年的中したレースがレパードSですが、歴史の浅い重賞ながら、好走馬には調教内容、追い切り内容に共通点があります。これに関しては、週末のNo.1予想もしくは馬券総合倶楽部で触れることにしましょう。

勢いのあるアムールポエジー

勢いのあるアムールポエジー

 まず、1週前追い切りで好印象を受けたのは、アムールポエジー。画像は、その追い切りを終えた後の様子ですが、CWコースで追い切られ、その時計は24日の一番時計。テンから飛ばしていく、ハードな内容でしたが、直線に向いても、バテるどころか、逆に鋭く伸びる内容。とても牝馬とは思えませんし、さすが、3連勝の勢いです。

 実はこの馬、4走前の未勝利戦2着のレース内容を見ていただければ、分かりますが、一旦馬群に沈みかけても、そこから伸び返すという、とてつもない根性を持っています。今では、すんなりと先行できるようになったため、そのようなレースをすることはありませんが、そんな性格ですから、牡馬の一線級が揃うここでも、臆するところは全くないと言っていいと思います。

 今朝の登坂で写真を撮ることができなかったケイアイレオーネですが、こちらは馬体の充実が目立っています。1週前追い切りでは、ラスト1Fが最速のラップを踏めたように、確実に状態が戻っています。ちなみにユニコーンS時の最終追い切りでは、ラスト1Fが失速するラップ。それでも3着したくらいですから、相当能力が高いと考えてよいのでしょう。

短期放牧に出ていたサトノプリンシパル

短期放牧に出ていたサトノプリンシパル

 netkeiba.comの予想オッズで1番人気はサトノプリンシパル。前走の勝ちっぷり、時計、そして逃げるという脚質に武豊騎手が人気の構成要因でしょうか。確かに、同じ左回りのダート1800mを勝っているということは大きなアドバンテージになりそうです。

 ただ、前走時と違う点があります。それは中間に短期放牧に出ていること。前走時はユニコーンSを使う予定があり、そのため、中間は放牧に出されていません。結果的にユニコーンSを使うことができず、御嶽特別を使ったという経緯ですが、この間に栗東でしっかりと調教を積むことができたのが、勝因だと考えています。この中間は宇治田原優駿Sに放牧に出されており、栗東で調教された期間は非常に短くなっています。

かなり雰囲気のあるゲシュタルト

かなり雰囲気のあるゲシュタルト

 小倉記念にも触れておきます。こちらのnetkeiba.comの予想オッズ1番人気はマイネルラクリマ。前走の勝ちっぷりから、そうなることは予測できましたが、全く予測できなかったのが、5番人気ゲシュタルト。前走オープン特別でも5着なのに、どうして人気になるんでしょうか?

 もともと休み明けには実績がなく、前走は負けて当然のレースだと思っています。実際、追い切りを見ても、好調時の迫力はありませんでしたし、追い切り時計自体もそれを示していました。今回は初めての中1週になりますが、今朝の坂路での動き、かなり雰囲気があったんですよね。これを見た時に「馬券的妙味があるのは今回…」と思っていたにも関わらず、予想オッズを見て、少しがっかりしたわけです。

良く見えるマックスドリーム

良く見えるマックスドリーム

 このレースは馬券的に狙ってみて面白そうな状態の良い馬が多いのですが、その中でも、マックスドリームの存在は特筆。前走七夕賞は休養明けで追い切り本数が少なく、評価を下げていましたが、それでも、勝負どころから捲るレース内容。あの取り口が板についた感じがしますし、先週の小倉芝2000mを見ていても、あの戦法が通用する馬場。

 やっぱり、今朝の登坂の雰囲気は前走時よりも、随分と良く見えましたし、表情も闘争心十分。あとは、追い切りラップの踏み方が、福島民報杯と同じなら、今度こそ勝ち負けできるはず。問題はマイネルラクリマとどちらが早く捲るか、それに尽きるような気がします。

◆次走要注意

・7/27 新潟9R 閃光特別【ギフテッドスマイル】(13人/9着)

 出脚がつかず、エンジンが掛かったのは、ゴール100m手前という感じでしたが、その伸びは見どころがありました。○地ですが、もともと直線競馬では2着(未勝利戦)していたように、適性はあります。
 あとは、坂路で調教して、もう少し出脚がつくようにすれば、上位争いしていいと思います。

[メモ登録用コメント] 坂路調教で直線1000m出走なら馬券圏内

・7/28 新潟2R 3歳未勝利【モンサンデューン】(4人/7着)

 休養明けで16キロ増の馬体重。この着順も当然と思われるかも知れませんが、道中の位置取り、そして直線の進路と、この馬の能力は発揮させることなく終了。正直、この勝ち時計なら、十分に勝ち負けできました。
 3コーナーから直線にかけてのカーブのコーナーリングの巧さは、さすが北C追い切り。次回も同じ北C追いなら、まず勝ち負けです。

[メモ登録用コメント] 最終追い切り北Cで新潟ダート1800mなら勝ち負け

◆今週末馬券圏内

・8/3 新潟9R ダリア賞【ユールドゥ

 前走は福島芝1200mを標準併用で1着。今回は中2週になりますが、中間に坂路で1本の追い切り。最終追い切りを坂路で行えば、新潟芝1400mに適した坂路調教馬になります。
 1週前追い切りで終い最速のラップで動けているように、左回りには適性が高そう。もちろん最終追い切りも、終い最速ラップが理想です。

[メモ登録用コメント] 最終追い切りが美浦坂路で終い最速ラップなら勝ち負け

このコラムをお気に入り登録する

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

バックナンバー

新着コラム

アクセスランキング

注目数ランキング