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太が最近の印象に残ったレースについて語ります!

  • 2013年07月30日(火) 18時00分
この春、自身初ともいえる大不振に陥った小牧騎手ですが、最近はすっかりリズムを取り戻した様子で、秋に向けて楽しみな馬との出会いもちらほら…。今回は、ベストレース、ワーストレースはもちろん、良くも悪くも印象に残った直近のレースについて、たっぷりと振り返ります!
(取材・文/不破由妃子)

■あれは強い! あの馬は重賞級や

──今週は、6月4週目から7月3週目までのレース回顧から入りたいのですが、秋につながってきそうな勝利がいくつかありましたね。

小牧 そうやね。僕自身、最近はリズムが戻ってきて、馬の流れも良くなってきたね。ベストレースは中京でしょう。中京では僕、いいレースしてますやん。いくつかあるけど、ダート1800mの未勝利もいいレースやったな。エーシンヘディングやったっけ? あんまり人気はなかったけど、あれは自信満々やった(7月13日・中京3R・3歳未勝利・5番人気1着)。

──狭いところを割ってきた競馬でしたね。

小牧 そうそう。とにかく自信満々で乗っていたから。ベストレースというか、勝ててうれしかったレースやね。未勝利を勝つまでだいぶ時間がかかってしまったけど、前走もいい競馬をしていたから、「ああ、自分が思っていた通り、やっぱり強かったな」って。ゴールドベル(6月29日・中京9R・清洲特別1着)もうれしかったな。

──直線はグイグイ伸びて、最後は突き抜けましたね。

小牧 左回りと1400mが合うんでしょう。引っ掛かるというか、力むところがあるから、決して乗りやすい馬ではないけど、うまく乗れたら強い競馬をしてくれるね。

──次走の賢島特別でも、4着とはいえ、「1000万でも通用する」ときっぱりコメントされてましたね。

小牧 うん、あのレースはちょっと出負けしてね。でも、1000万でも間違いなく通用するよ。そういえば僕、新潟2歳Sに乗りに行くんやけど、同じ日にこの馬も新潟で使う予定。チャンスがあれば、積極的に(主戦場以外の競馬場にも)行かんといけんなと思っていてね。レパードSもタイセイバスターで行きます。

──新潟2歳Sは、橋口厩舎のピークトラムですね。未勝利勝ちはレコードでした(7月14日・中京1R・2歳未勝利)。

小牧 3戦目で勝てたけど、この馬についてはその前2戦も最高に乗ってるつもりやねん。なにしろ、乗りやすい馬でね。僕自身、これ以上、うまいこと乗られへんっていうくらいの競馬をしてる。将来性についてはまだ何ともいえんけど、距離はもちそうやから、追っかけていこうかなと思ってるよ。

──3歳馬では、プリムラブルガリスが印象的でした(7月6日・中京11R・豊明S)。馬の間を鮮やかに抜けてきましたね。

プリムラブルガリスは重賞級

プリムラブルガリスは重賞級

小牧 ああ、あれは馬が強かった。あれは強い。あの馬は重賞級や。このあとも乗せてくれたらいいんやけどね。もともと浜中くんの馬やから。

──そういう馬に出会ったとき、小牧さんは“次も乗りたい”というようなアピールはされるんですか?

小牧 うん、プリムラブルガリスについては伝えました。もし乗せてもらえるんやったら、この馬も追っかけていきたい馬やね。

──阪神に戻りますが、強かったといえば、グレイスフルリープも3勝目を挙げましたね(6月23日・阪神12R・鶴見特別)。力が違うとばかりの競馬だったように思います。

小牧 あれも強かったねぇ。今までになく強かったから、僕もちょっとビックリしたわ。あれだけ離して勝つとは思ってなかったから、必死に追ったけどね。

──賞金を加算して、大きいところへの道筋を作りたいところですよね。

小牧 そうやね。とにかく、もうひとつ勝たなアカンね。夏場は適条件がないから、秋まで放牧みたいやわ。

──続いて、ご自身のなかのワーストレースというと?

シャイニーホークは一番ガックリきた

シャイニーホークは一番ガックリきた

小牧 ワーストというか、一番ガックリきたのは、やっぱり先週のシャイニーホークやね(7月21日・中京記念15着)。結局、シンガリやもんねぇ。あんまりにも負けすぎや。1600mは長いなぁといつも思うんやけど、半面、うまく乗れたら…っていう期待もあってね。難しいね。むちゃくちゃ引っ掛かってるわけでもなかったんやけど…。それにしても負けすぎやね。

──直線に向いたときにはすでに…。

小牧 手応えがまったくなかった。やっぱり前に壁を作らんとダメやね。この前はスタートが良くて、ハナに行くんかと思ったくらい(苦笑)。ようわからなんなぁ…。成績からしても、夏場はあんまり良くないタイプなのかもしれんね。

──小牧さんとしては、プロキオンS(7月7日・ガンジス6着)も消化不良の一戦だったのでは?

小牧 スタートを完璧に出て、ちょっと前が速いかなと思ったから抑えて、走ることはわかっていたから、“これ、勝つんちゃうか”って思いながら乗ってたんやけど。完璧に近い乗り方やったと自分では思うから、確かにガックリでしたね。直線に向いて、外から川田くんに押し込められたけど、力があるから割っていけるはずなのに、耳を絞ってよう割っていかん。完全に馬の気の弱さが出てしまったね。すごく怯んだもんね。

──同じように脚があっても、狭いところを割っていけるかどうかは気性によるんですね。

小牧 うん…気の弱い馬は、どうしてもね。負けんくらいの当たりで追ったら、また違うのかなぁと思ったり。

──それにしても、まったく勝てなかった時期を経て、ここにきて本当にリズムが戻ってきましたね。「土日で1勝はしたい」とおっしゃっていましたが、ここ最近はそれ以上のペースです。

小牧 やっと勝ち出したね。おもしろいもんやで。馬の流れも変わってきたしね。小倉でも1頭、さっそく楽しみな馬がいますわ。昨日、初めて追い切りに跨がった2歳馬で、新馬で2着に負けてるんやけど、これは走るんじゃないかと……坂口則厩舎の1200mの牝馬で、なんやったかな(笑)。まぁとにかく、走ってきそうな馬ですわ(ジョーヌダンブル・7月28日の未勝利戦を小牧騎手で3着。引き続き注目!)。

【次回の太論は?】
 禁煙生活も3カ月目に突入した小牧騎手。先月の時点で「疲れないようになった」と話していましたが、体調や体重、味覚など、さらに変化があったのでしょうか。禁煙宣言以降、ユーザーからもそれにまつわる質問が続々! 次回は、小牧騎手の近況をご報告します!
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1967年9月7日、鹿児島県生まれ。1985年に公営・園田競馬でデビュー。名伯楽・曾和直榮調教師の元で腕を磨き、10度の兵庫リーディングと2度の全国リーディングを獲得。2004年にJRAに移籍。2008年には桜花賞をレジネッタで制し悲願のGI制覇を遂げた。その後もローズキングダムとのコンビで朝日杯FSを制するなど、今や大舞台には欠かせないジョッキーとして活躍中。

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