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競馬場のにぎわい

  • 2013年08月02日(金) 18時00分
 7月31日、サンタアニタトロフィーが行われた日の大井競馬場で、何年ぶりかで内馬場に足を運んでみた。

 かつて90年代の大井競馬場は、ナイター開催なら重賞の行われていない日でも3〜4万人の入場があり、当時は内馬場にも飲食店や馬券発売窓口がたくさんあってにぎわっていた。しかし馬券発売に占めるネット・電話の割合が増えるに連れて競馬場への入場人員が減少し、近年では大井競馬場の内馬場もかなり寂しいものになっていた。

 7/29〜8/2、8/12〜16の開催では、内馬場で「オクトーバーフェスト」というイベントが行われ、かなりにぎわっているということを聞いたからだ。

 オクトーバーフェスト(http://www.oktober-fest.jp/)とは、ドイツ発祥のビールのお祭り。巨大テントの下とその外には、数百人分ほどのテーブルや椅子が設置され、その周りには生ビールや食事を販売する店舗があり、まさに今どきの大規模なビヤガーデンが出現していた。

 ドイツだけでなく日本の地ビールもあり、それに合ったさまざまな料理も提供されていて、友人同士でも家族連れでも楽しむことができる。

オクトーバーフェスト
オクトーバーフェスト

オクトーバーフェスト

 これは大井競馬場のために企画されたのではなく、10日ほどの期間ごとに日本全国のさまざまな場所を移動して開催されているイベント。日本では今年で11年目を迎えたそうだ。その会場として、今年はナイター開催の大井競馬場でも、となったもの。

 最近よく見られるようになった、キッチンカーを集めて並べておくだけのようなものとは違い、毎年規模を拡大させているイベントだけあって、運営もかなりしっかりしたもののように思えた。

 このコラムでは、これまでにも何度か競馬場のにぎわいをテーマとして取り上げているが、なるほど、それだけで人が集まる完成形のイベントを誘致するというのは、方法としてかなりアリだと思った。

 特に飲食が中心のイベントは、競馬をやらない人もごく自然に共存できるし、競馬ファンにとっても馬券を買ってレースを見ながら、ダラダラと長時間滞在することができる。競馬場に人を呼ぶにはかなり有効的な手段のように思えた。

 大井競馬場でのオクトーバーフェストは、ナイター開催の照明や電飾などとも相まって、他の会場よりもさらに華やかなのではないだろうか。お盆の大井開催は、ぜひグループや家族連れで内馬場へ。

1964年生まれ。グリーンチャンネル『地・中・海ケイバモード』解説。NAR公式サイト『ウェブハロン』、『優駿』、『週刊競馬ブック』等で記事を執筆。ドバイ、ブリーダーズC、シンガポール、香港などの国際レースにも毎年足を運ぶ。

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