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交流なのに他地区1頭とは?

  • 2013年08月09日(金) 18時00分
 8月21日に川崎競馬場で行われる地方全国交流の重賞、スパーキングサマーカップの登録馬(8月7日現在)を見て、アレ?っと思った。
http://www.kawasaki-keiba.jp/sale/toroku.html (※登録馬の状況は時間の経過とともに変更される可能性があります)

 他地区選定馬になっているのがトウホクビジン(笠松)1頭のみで、あとは補欠馬が7頭。交流レースだというのに、他地区枠は1頭なのか?と思ったら、要項には、<出走可能頭数14頭(他地区4頭以内)>とある。

 他地区4頭以内なのに、選定馬となるのは1頭とはどういうことなのだろう。主催者に問い合わせると、「南関東の登録馬とのレベル的なバランスを考慮した」とのことだった。

 なるほど、他地区4頭ではなく、他地区4頭<以内>となっているのは、他地区の出走枠を主催者の裁量で減らすことができるということなのか。

 ただ、発表された8月7日現在で除外対象になっている補欠馬を見ると、補欠1番のエーシングレーソロ(笠松)は昨年9月に地元で重賞勝ちがあり、補欠2番のナムラハンター(高知)は元中央オープンで、一時南関東に在籍していたときも重賞出走歴があり、高知では今年になって重賞で2着3着が一度ずつある。

 たしかに南関東は地方競馬の中でもレベルは高いが、過去1年以内に重賞勝ちや重賞上位実績のある馬を、出走可能枠があるにもかかわらず、主催者の裁量で除外対象にしてしまっていいものなのか。重賞勝ち馬や上位馬が主催者の裁量で除外されるなら、ではどんな成績を残していれば選定馬となれるというのだろう。

 スパーキングサマーカップが地方全国交流として行われるようになった07年以降の出走馬を見ると、07〜09年は他地区馬が4頭出走していているものの、10〜12年は2頭のみの出走となっている。さらに今年は1頭となってしまうのか。

 4頭出走していた時期には、07年にはキングスゾーン(名古屋)が2着で、09年にはマルヨフェニックス(笠松)が勝っている。対して他地区馬の出走が2頭になった10年以降では、10年に5着がいるのみ。たしかに他地区馬のレベルは下がっているのかもしれないが、それにしても選定馬1頭のみとまでしてしまっていいものなのか。仮にそれが下級条件の馬なら意図的に除外するのもしかたないと思うが、重賞好走馬が何頭もいるのだ。

 交流レースであるにもかかわらず、意図的に他地区馬を排除しているとしか思えない。

 今回の登録馬で、過去1年以内に重賞5着以内がある補欠3番のエイシンダッシュ(笠松)、補欠4番のドリームスカイラブ(笠松)、補欠5番のタッチデュール(笠松)あたりまでの関係者は怒ったほうがいい。

1964年生まれ。グリーンチャンネル『地・中・海ケイバモード』解説。NAR公式サイト『ウェブハロン』、『優駿』、『週刊競馬ブック』等で記事を執筆。ドバイ、ブリーダーズC、シンガポール、香港などの国際レースにも毎年足を運ぶ。

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