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ツルマルレオン、バーバラなど北九州記念分析

  • 2013年08月13日(火) 18時00分
 先週の関屋記念。No.1予想に取り上げたレースであり、競馬予想TV!のサマーシリーズに出演して予想したレースでもあります。今年の関屋記念の印は、1着△レッドスパーダ、2着◎ジャスタウェイ、3着○レオアクティブ。馬連なら△◎、3連複なら△◎○で的中しているはずです。

「はず」ということは、馬券を外しているわけですが、その理由は馬単、3連単の買い目をジャスタウェイの1着固定にしているから。もちろん「負けない」と思ったからこそ、1着固定にしましたが、それ以外にも理由があります。それは『回収率争い』です。

 サマーシリーズというのは、シリーズ5回のうち、3回(私の場合)出演し、その中で回収率トップを狙わなくてはいけません。1回で予想するレースはねらい目を含めて、3レースですから、全部で9レースしかありません。サマーシリーズは予想レース数が少ないので、高い回収率が優勝ラインになることがありますが、実際、今年のサマーシリーズは先週の時点でトップは300%を超える回収率。すると、優勝するためには、この数字を目標にしなくてはいけません。

 人気薄が◎であれば、決して「単式」の買い方にこだわる必要もありませんが、1番人気ともなれば、どうしても単式で回収金額を上げるしかありません。もちろん、資金力に余裕があれば、他のレースより一桁多く投資すればよいわけですが、それは私が「最もやってはいけない」と思っている買い方。私は常に同じペースで投資し続けて、長期的に回収率を上げていくことを理想と考えています。

 ですから、私がサマーシリーズで優勝するには、関屋記念を迎えるまでに回収率200%くらいの状態であれば、そこまで単式にこだわらず、馬連や3連複の買い目を選択したかも知れません。自分では、このような状況を理解した上で、予想し、馬券を買っているので、今回の結果は納得しています。ただ、No.1予想を参考にしてくださった方の中には「単式で買い目を出しているから、絶対に負けないと思ったのに」とご立腹の方もいらっしゃるかも知れません。これには、申し訳ありませんとお詫びするしかありませんが、上記のような状況があったという言い訳だけさせていただきました。

 さて、今週は札幌記念と北九州記念。札幌記念組は、すでに函館競馬場で調整をしていますので、ここでは北九州記念組のレポートをお届けしようと思います。

最も注目しているツルマルレオン

最も注目しているツルマルレオン

 まずは個人的に最も注目しているツルマルレオンから。前走バーデンバーデンCは馬券総合倶楽部での予想印を「注」という、印を打った中では最も低い評価にしました。その理由は、中間の調整過程。本当なら、CBC賞を使いたかったところが除外。そのため、スライドすることになりましたが、その期間の調整が難しかったのではないかと思います。

 今回は予定に狂いなく、順調そのもの。今朝の坂路でのキャンターも活気十分。有り余る元気を抑えるのに苦労するというくらいですから、この暑さも関係ないのでしょう。最終追い切りの判断材料としては「目一杯に追われているか」「2F25秒を切っているか」という点。この基準は、昨年同時期に勝った北九州短距離S時の最終追い切りを目安にしています。

小倉適性が高そうなバーバラ

小倉適性が高そうなバーバラ

 続いて、前走佐世保Sを1分6秒9という好時計で勝ったバーバラ。CBC賞は5着でしたが、馬体重が増えたことが敗因というよりも、中京競馬場の芝に適性が低かったということでしょう。逆に今の時計が出る、小倉競馬場の芝には適性が非常に高いと思います。

 レース間隔が詰まるということもあり、速い追い切りを消化せず、15-15程度の調整が続いていますが、それは問題ないでしょう。今朝も、夏に強い牝馬らしく、小気味よいフットワークで軽快に駆け上がっていました。ただ、気になるのは、これまでが1週前追い切りをしっかりとやって、レース週は軽く仕上げていたこと。これで結果が出ていただけに、今回は最終追い切りをどの程度の内容で仕上げてくるのか。そのあたりが好走の鍵を握ることになりそうです。

状態が上向いている印象のハノハノ

状態が上向いている印象のハノハノ

 ツルマルレオン同様に注目しているのは、ハノハノ。前走は「少し仕掛けが早かったよね」と西園正都調教師が話すように、勝ちに行って、同厩舎に差されたという感じ。鞍馬S、函館SSと凡走が続いていましたが、前走くらいやれて当然の馬です。

 3歳時には、夏開催の小倉で2勝を挙げており、夏は全く問題なし。むしろ、今朝の登坂の様子を見ていると、前走時よりも、更に状態が上向いている印象があるくらい。こちらの最終追い切りの理想は、船橋Sや前走時のように、4F時計が速い上に、ラスト1Fが12.5秒を切るということ。これは明確な基準だと思います。

気合乗りも十分のサドンストーム

気合乗りも十分のサドンストーム

 最後にサドンストーム。後方から自分の脚は使って3着だった、前走のCBC賞。このレース内容をどう評価するかですが、個人的には、時計の掛かる芝に適性の高い馬だと思うので、本来なら、もっと接戦で勝ち負けに加わって欲しかった印象があります。

 それを思うと、今回の速い時計決着になる小倉競馬場の芝に適性が高いかどうかは疑問。もちろん、状態面に関しては、今朝の様子を見ても、いい発汗をしていましたし、気合乗りも十分。きっと最終追い切りも動くと思いますが、舞台設定がこの馬に適しているかどうか、そこが鍵になりそうです。

◆次走要注意

・8/10 新潟1R 2歳未勝利【シゲルトオトウミ】(12人/5着)

 美浦坂路調教馬なので、新潟芝1400mの条件はぴったりだと思っていました。前半が少し厳しい展開になった分、最後は止まってしまいましたが、直線半ばまで見せ場十分のレース内容でした。
 石橋脩騎手が騎乗して、左回りの1400mまでの距離という条件は付きますが、馬券圏内に入るのは時間の問題です。

[メモ登録用コメント] [石橋脩][左回り][1400m迄]最終追い切りが美浦坂路で終い最速ラップなら馬券圏内

・8/11 函館11R UHB賞【ストークアンドレイ】(10人/5着)

 函館SSは競馬にならず、大敗しましたが、今回はスムーズに競馬して掲示板を確保。この中間の調教量は少なかったにも関わらず、馬体重が減っていましたし、やはり函館の水が合うのでしょう。
 あまり強いメンバーで通用するかどうか分かりませんが、とにかく函館なら、注意しておくべき馬でしょう。

[メモ登録用コメント] [函館]調教本数標準で馬体重が460キロ台なら馬券圏内

◆今週末馬券圏内

・8/17 小倉5R 2歳新馬【エイシンキサナドゥ

 当欄で新馬戦を取り上げるのは、初めてだと思いますが、最終追い切りを見なくても、そのポテンシャルの高さが分かるのが、この馬。2週前追い切りは坂路で4F51.9秒、1週前追い切りはCWで、6F83.0秒、1F11.9秒。調教馬場問わず、オープン馬が出すような時計をマークしています。
 デビュー戦は芝1200mですが、この追い切り内容を見るかぎり、マイルでも十分対応できそうな馬。今回だけでなく、来年の春まで覚えておくべき馬だと思います。

[メモ登録用コメント] [将来性◎][1600m迄]最終追い切りが栗東坂路で終い最速ラップなら勝ち負け

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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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