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グラスワンダー産駒の馬券作戦

  • 2013年08月21日(水) 18時00分
 今週はグラスワンダー産駒がキーを握るレースが2つあったので、久しぶりにグラスワンダー産駒について考えてみたい。

 また、馬体重と血統で予想する方法を前回まで書いてきたわけだが、その実践編としてもちょうど良かったので、馬体重論も交えながらみてみよう。

 先週日曜の小倉2R。午前中を中心に何点かレースを取りあげて予想しているコーナーで、この日、一番高い点数で予想した、馬券的に狙っていたレースだった。

 本命にしたのは10番人気チョウワンダー。2走前が芝2000mで、前走が地方のダート1400m。そして今回が芝1800m。2000m→1400m→1800のバウンド延長に加え、ダートから芝、地方からのショックという、Mのトリプルショックが掛かっていた。

 グラスワンダー産駒は単調なパワー型で、小回りなら延長というのも、単調に自分のパワーを伝達できれば、悪くない。やや揉まれ弱く、自分の競馬を出来ないと脆いのが弱点だが、他の種牡馬同様、鮮度が高いときはその心配は少ない。

 そういう意味では、最近見てきた種牡馬の中ではゼンノロブロイ産駒に似ているが、ゼンノロブロイ産駒よりS的要素が強く、より強引。そのぶん自分より強い相手に踏ん張る傾向はゼンノロブロイ産駒よりはあるが、量への依存が少ないので、弱い相手に対する対応力、緩い淡泊な流れに対する精神コントロールでは、若干劣る。

 疲労に対する抵抗力は、特に充実期においては比較的高い。また休養を挟むことにより、疲労を回復する能力も比較的高い。今回は小回りなので、大幅延長でも精神コントロールはつくし、中央での相手強化も、鮮度が高いときのグラスワンダー産駒なら問題ない。

 唯一心配なことを挙げるとすれば、前走が連対しているものの、連対時最低馬体重だった点だ。パワーと体力で押すグラスワンダー産駒には、馬体減りは致命傷になりかねない。したがって、今回さらなる馬体減りがあると危険性が出てくる。

 このレースを敢えて予想したもう1つの理由が、2番人気サトノユニコーンが危ない点だった。

 前走が、ディープインパクト産駒得意の中8週と間隔を開けたレース。ここで4着と、近走の中で一番好走した。今回はそのストレスがあるところに、反動の出やすいディープインパクト産駒が、前走6キロ減で、デビュー戦から比べて12キロも減っている。これでは、自慢である量の豊富さが活かせない可能性が高い。そこで今回は予想で取りあげる6頭からは外し、7番手以降の評価とした。

 今回、馬体が増えてこないようなら、より危なくなる。

 そして当日、馬体減りが懸念材料だったチョウワンダーは10キロ増、逆にサトノユニコーンは馬体が増えず。馬体重発表時点で、本命の人気薄の好走確率が上がり、人気馬の好走確率が下がったので、より勝負レースの色彩は強まった。

 結果、チョウワンダーが2着に激走し、サトノユニコーンは4着で馬券圏外。1着と3着に私が上位に取りあげた馬が入って、ワイド41倍が1点目、馬連190倍が4点目、3連複561倍も4点目で的中出来た。

 勝った4番人気リッシュレーヴは1400m→1800mの延長で差しから前に行く位置取りショックという、Mの基本、「先行馬の延長」ショックを仕掛けてきたのが良かった。

 馬体重はデビュー戦より8キロ減っていて、今回も増えてこなかったが、集中力で走るC系のステイゴールド産駒なので、その程度ならマイナスにはならないし、増える方がむしろ怖い。多頭数の内枠も集中力が活かせて良い。

 もう1つ、グラスワンダー産駒がキーを握ったレースが、北九州記念だった。

 私はグラスワンダー産駒の5番人気ニンジャを本命にして、5点目ではあったが、馬連46倍という、そこそこ美味しい配当を手にすることが出来たレースである。

 ニンジャは前走条件戦からの出走だったのだが、このレースには、やはり条件戦からの出走でバーバラというディープインパクト産駒が出ていた。

 こちらは人気だったのだが、同じ条件戦からの鮮度馬で、ニンジャを取るか、バーバラを取るか、それが明暗を分けるレースでもあったのだ。

 この2頭の間には、ローテーションと血統の問題が横たわっていた。

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※正誤表が競馬王ブログに掲載されています。

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ストレス、ショック療法など、競走馬の心身構造を馬券にする「Mの法則」を発見し、従来の競馬常識を完全に覆した。現在は、競馬雑誌等で活躍中のほか、馬券研究会「Mの会」を主催し、毎週予想情報の提供を行なっている。主な著書に「短縮ショッカー」、「ウマゲノム版種牡馬辞典」、「ポケット版 大穴血統辞典」などがある。

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