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エイシンキサナドゥ、ファタモルガーナなど小倉2歳S、新潟記念分析

  • 2013年08月27日(火) 18時00分
 いよいよ、夏競馬も今週が最後。夏が終わる寂しさがある一方、栗東トレセンには、続々と秋の重賞レースを予定している馬が帰厩しており、そちらのワクワク感の方が大きいというのが、正直な印象。秋競馬が始まれば、競馬予想TV!など、再び忙しくさせていただくことになりそうですが、まずは夏競馬をしっかり締めくくりたいと思います。

 まずは小倉2歳Sのレポートから。今年は開催期間が短くなったことによって、出走馬のローテーションが非常に難しくなりました。例年であれば、小倉開催の開幕週に新馬勝ちした馬が、フェニックス賞を使って、小倉2歳Sを使うという形が主流でしたが、今年はフェニックス賞を使うと、中1週、中2週とレース間隔が詰まってしまいます。それを避けたのが、ホウライアキコですね。

じっくり調整できたホウライアキコ

じっくり調整できたホウライアキコ

 レース経験を積めないことがデメリットになるか、レース間隔を空けてじっくり調整できたことがメリットになるか。ホウライアキコにとっては、後者の効果があったと思います。前走は逃げ切ってのレコード勝ち、その反動を心配した方も少なくないと思いますが、レース翌週には角馬場でキャンターを乗れるくらい。つまり、フェニックス賞を使おうと思えば、使えた状態だっただけに、反動は全くなかったと思います。

 1週前追い切りはCWでかなりハードな内容になりましたが、新馬時も1週前追い切りの内容が秀逸だっただけに、同じようなパターンで仕上げることができていると判断してよいでしょう。あとは、最終追い切りで、坂路2F25秒を切る、今の小倉芝1200mに適した追い切り時計を出すことができれば、自分のパフォーマンスは可能でしょう。

意欲的な調整のエイシンキサナドゥ

意欲的な調整のエイシンキサナドゥ

 普通に考えれば、きついローテーションになったエイシンキサナドゥ。ただ、小倉2歳Sはデビュー前から出走を予定しただけに、そのあたりは計算されているはず。こちらも、レース翌週の木曜日から坂路馬場に入っており、土曜日には普通キャンターを2本乗るなど、意欲的な調整。25日には4F56.8秒と、中1週にも関わらず、時計を出したという経緯があります。

 今朝の様子を見ていると、疲れというよりも、むしろ、一度使われたことによって、表情が引き締まった感じ。走るということがどういうことか、分かってきたような印象があります。個人的には、ただの重賞ウイナーで終わる馬ではないと思っているだけに、ここをあっさり通過してほしいという願望もあります。

ローテーション的はベストなベルカント

ローテーション的はベストなベルカント

 ローテーション的にはベストではないかと思えるベルカント。初戦が逃げてそのままだっただけに、差し転じて、どの程度やれるかという不安要素はありますが、中3週で使えるのは、調整しやすいのではないでしょうか。

 実際、1週前追い切りでは、古馬マッキーコバルトを追走して先着。4F51.4秒はデビュー前に出していた時計よりも随分速く、レースを使ったことで、明らかに走り方を覚えた感じです。キャリア1戦だと、その1戦のレース内容を評価するしかありませんが、追い切りの内容からの評価であれば、キャリア1戦で最も上積みが期待できるのではないでしょうか。

一角崩しならハッシュ

一角崩しならハッシュ

 この3頭でほぼ決着すると考えていますが、その一角崩しにハッシュ。こちらはキャリア2戦、小倉開幕週の未勝利戦を勝っていますが、その時が芝替わりでの勝利でした。この中間はグリーンウッドに移動して調整、8月10日に栗東へ戻ってきました。

 そして、1週前追い切りが4F50.9秒の猛烈時計。時計の出やすいウッドチップの状態ではありますが、やはり動ける状態だからこそ出る速い数字。これは素直に評価したいですし、この追い切りでスイッチが入ったのか、今朝も15-15になる、勢いよいキャンター。馬にも活気があり、元気の良さは大きく強調できると思います。

馬体絶好のファタモルガーナ

ファタモルガーナ

 新潟記念は、現時点で注目している馬を紹介させてください。それがファタモルガーナ。この馬に注目したのは、前走七夕賞の時。最終追い切りが坂路馬場の同馬にとって、七夕賞は決して適性の高い条件ではありませんでしたし、実際、レースは後方から。それでもメンバー最速の上がりを使ったあたり、ローカル重賞なら、十分に通用する能力を見せてくれました。

 この中間はノーザンFしがらきへ放牧に出されていましたが、帰厩してからの馬体が絶好。思っていた通り、5ヶ月ぶりのレースを叩いて良化していると思いますし、新潟競馬場に適した左回りのDP追い切りを行っている点も評価できます。

◆次走要注意

・8/24 小倉12R 3歳上500万下【アウトシャイン】(7人/2着)

 ロードカナロアの妹ということで、デビューから常に人気していましたが、二桁着順が続いていたこともあり、今回は人気薄。私は馬券総合倶楽部の狙い馬として、取り上げていましたが、その理由は様々。そのうちのひとつは、最終追い切りでロードカナロア相手に絶好の動きを見せたこと。
 個人的には、ようやく、本来の力を発揮できる状態になってきた、それが併せ馬での動きだと思うので、次走も追い切りでしっかり動けば、レース結果も伴うはずです。

[メモ登録用コメント] [芝1200m]最終追い切り栗東坂路で2F24.9秒以下なら馬券圏内

・8/25 新潟1R 2歳未勝利【イーグルアモン】(14人/6着)

 前半は自分のペースで進めた上、内枠ということもあり、位置取りを下げる形でしたが、後半は徐々に前との差を詰める形。内回りだっただけに、直線に向いた頃は前との差がかなりあって、完全な圏外でした。
 ところが、脚色は完全に伸びる態勢。ただ、前が塞がるシーンがあり、追いたいところで追えず、無理矢理に進路をこじ開ける形。6着はよく走った内容ですから、次は馬券圏内でしょう。ただし、中山よりも東京向き。

[メモ登録用コメント] [東京][芝1400m]調教タイプが標準併用なら馬券圏内

◆今週末馬券圏内

・9/1 小倉10R 西日本スポーツ杯【エイヴィアンボス

 4走前の戦前に「馬が変わってきた」と橋口弘次郎調教師がコメントして、2着。ダート戦に替わったことも、好走の要因でしょうが、短期間で馬が大きく成長したということだと思います。
 未勝利、500万下と連勝したことで、馬も自信を持った様子。この中間も気配抜群ですから、この勢いで連勝が続くと予想しています。

[メモ登録用コメント] 橋口弘次郎厩舎の勝負調教に該当すれば勝ち負け

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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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