先日、今年JBCの舞台となる金沢競馬場を、紹介VTR収録のために訪れた。その中で馬券勝負の企画があり、3連単の馬券を買うときに焦ったことがあった。

　金沢競馬場には、フォーメーションとマルチに対応したマークカードがないのだ。

　締め切り3分ほど前、フォーメーションで馬券を買おうとしたときに気づいたのだが、1〜3着のどれかひとつは1点しかマークすることができないというマークカードなので、何枚かに分ければフォーメーションと同じ買い方ができるのだが、焦っていてその塗り方も間違えそうになった。

　全国の競馬場を回ってるんだから、そのくらい知ってろよと思われるかもしれないが、最近、馬券は単勝とか馬複とか馬単とかで絞って買うことが多く、あまり必要としていなかったので気付かなかった。

　それで気になって調べたところ、現在、フォーメーションとマルチに対応していないのは、金沢のほかに笠松と高知も未対応のままということがわかった。

　冒頭にも書いたように、金沢競馬場は今年初めてJBCの舞台となる。今や日本では3連単の馬券がかなりの部分を占め、そのもっともメジャーな買い方がフォーメーションといってもいいだろう。JBCともなれば、全国からファンが訪れるだろうし、また普段は中央競馬しかやらないというファンも少なからず訪れることになるだろう。それでいてフォーメーションやマルチに未対応というのは心配だ。何枚かのマークカードを使うことで同じ買い方はできるのだが、慣れていないとそれをとっさに判断するのは難しい。

　おそらく長蛇の列となるのは間違いないであろう、JBC当日の馬券売場では混乱も起きるに違いない。

　新たな発売機への入れ替えには膨大な予算もかかり、また機器交換のタイミングの問題などもあり、JBCをやるのにフォーメーションやマルチが導入されていないことを批判するつもりはないが、少なくともそれに対応したマークカードがないことは、競馬場に訪れたファンに対して周知を徹底しておくことは必要だろう。

　ネット投票であればフォーメーションやマルチでも問題なく投票できるので、スマホなどでネット投票ができるファンに対しては、窓口ではなくネット投票の利用をすすめるのもひとつの手だろう。金沢競馬場では以前からWi-Fiが使えるようになっているが、事前にメール認証登録が必要なので、そうしたことも知っておいてもらいたい。

　その登録方法は当然、金沢競馬の公式サイトにあるのだろうと思ったのだが…ない。検索したら…あった。なんと!2012年3月10日付けのニュースとしてリリースされているのみ。検索すれば出てくるが、そうでなければ過去のニュースリリースをたどっていくしかない。競馬場内でWi-Fiが利用可能なことと、その登録方法については、公式サイトの目立つところにリンクを貼っておくべきではないか。

　金沢では初めて行われる地方競馬最大のイベントだけに、さまざまに意見を聞いて、万全の態勢で当日を迎えてほしい。