スマートフォン版へ

苗場特別

  • 2003年08月15日(金) 12時49分
 今年の春、父にサンデーサイレンスを持つ後継種牡馬として登録された馬は、とうとう50頭を突破した。海外にもわずかだがサンデーサイレンスの後継種牡馬はいる。先ごろ引退したゴールドアリュールなど、来年も、その次の年も、まだまだ種牡馬は加わる。

 既に引退したり、死亡した種牡馬を考えると、推定、サンデー直仔の種牡馬はもう60頭には達している。ダイタクリーヴァ(父フジキセキ)のように、孫の世代も種牡馬になり始めている。

 日本ではこれまで、テスコボーイの父系、ノーザンテースト(父ノーザンダンサー)の父系が大ブレークしたことはあるが、種付け頭数の多さと、リーディング上位に登場する割合からして、空前のサンデー巨大種牡馬群が形作られている。ブライアンズタイムを筆頭の、その他の注目種牡馬も同じヘイルトゥリーズンの父系だから、これはもうだれがみても限界を超え、危険区域に入っている。

 われわれファンの側はサンデーの父系を信じ、ときに人気ゆえ、さからっていれば済む問題だが、生産の世界はまったく別。みんなが同じ系統を重視するとき、世界のサラブレッドの歴史は、その手法は壊滅的な停滞と限界を招くことを伝えてきた。

 少なくとも、サンデーの後継種牡馬は、さまざまなタイプに分散しないと、たちまち限界のラインを超えてしまう危険大だ。

 バブルガムフェローの産駒は、その牝系の血にかかわらず圧倒的にダート指向を示している。サイモンセッズの場合、母の父がジェイドロバリー。その前がリマンド。そして米国育ちの牝系。ダートに的を絞るしかないだろう。休養前には、ダート1200mの1600万条件で続けて1番人気になった馬。この1000万のダート1200mでは3、2、1着の実績がある。

 新人の加藤士騎手のため人気はかぶらないが、57キロのハンデ通り、能力はワンランク上だ。

このコラムをお気に入り登録する

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

バックナンバー

新着コラム

アクセスランキング

注目数ランキング