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竹見さん超えは可能か

  • 2013年09月13日(金) 18時00分
 的場文男騎手の佐々木竹見さん超えが気になってきた。

 ご存じの方も多いと思うが、日本における騎手の最多勝記録は、2001年7月に引退した佐々木竹見さんによる7153勝(うち中央2勝)。竹見さんが地方通算7000勝を達成した1998年当時、2位の記録は、その前年に引退していた高橋三郎さんの3975勝だった。的場騎手はまだ3000勝にも届いておらず、石崎隆之騎手が高橋三郎さんの記録を抜いて史上2人目の通算4000勝を達成したのは2000年6月のこと。それゆえ当時、いや、つい最近まで7000勝超えなどという記録は、日本では破られないだろうと思っていた。

 竹見さんが年間505勝(1966年)という世界記録(当時)を打ち立てた当時は、1日の騎乗制限も連続騎乗数の制限もなく、地方競馬でも全レースに騎乗することが可能だった。それゆえ騎乗数が制限されたその後のルールのもとでは7000勝超えなど無理と思われたのも当然のことだろう。

 しかし、事ここに至って的場騎手の6500勝達成(8月23日)である。9月7日に満57歳となったが、今年もすでに勝利数は100を超えていて、全国リーディングで10位、南関東リーディングでも3位(9月10日現在)。今年も南関東代表として、ワールドスーパージョッキーズシリーズの出場権を賭けたスーパージョッキーズトライアル(9月25日・船橋、10月17日・園田)にも出場する。

 つい最近、的場騎手であらためて驚かされたのが、9月1日にソウル競馬場で行われた交流競走での勝利だ。海外での騎乗はこの日が初めてだったにもかかわらず、大井よりも長い直線を生かしての追い込みにはシビレた。現地で見ていた我々日本人から出たのは「やっぱりマトバさん、すげぇ」という言葉。レース映像をまだご覧になっていないという方は、韓国馬事会のサイトで動画が見られるので、ぜひご覧いただきたい。ここ(http://company.kra.co.kr/global/english/racing/new_racing.jsp?Act=racing&Sub=6_1)の、2013/09/01の9レースをクリックして表示される成績表の上に動画へのリンクがある。

 竹見さんが引退したのは、60歳を迎える2001年のことで、誕生日(11月3日)前だったためラストランのときは59歳。年間100勝を最後に記録したのは51歳の年だった。

 対して的場騎手は、先にも記したとおり、57歳で年間100勝超え。ちなみに2010年には198勝で12年ぶりの200勝割れとなり、その後は2011年141勝、2012年155勝とやや落ちてきているとはいえ、今年もこのままのペースで無事に騎乗していけば150勝は超えそうだ。

 的場騎手が通算6000勝を達成した2010年、ぼくはとある競馬雑誌の企画でインタビューさせていただいたのだが、「竹見さんの記録は?」という質問には、「無理無理」と笑っていた。しかしそれからわずか3年ほどで500勝を積み上げた。

 6500勝を達成したあとのインタビュー記事などでも同じように、「それは無理」と一笑に付しているようだが、本当に無理なのかなあ。本人も意識してないわけはないと思う。

1964年生まれ。グリーンチャンネル『地・中・海ケイバモード』解説。NAR公式サイト『ウェブハロン』、『優駿』、『週刊競馬ブック』等で記事を執筆。ドバイ、ブリーダーズC、シンガポール、香港などの国際レースにも毎年足を運ぶ。

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