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エピファネイア、タマモベストプレイなど神戸新聞杯分析

  • 2013年09月17日(火) 18時00分
 いつもの火曜日なら、その日の調教の様子を見て、それを踏まえた上での、重賞出走馬のレポートを書かせていただきますが、今週は今朝17日はトレセンの全休日。その上、競馬が順延になったことにより、特別登録が発表されておらず、今週末の重賞、神戸新聞杯の登録が分かりません。

丁寧な調整がここにきて、実を結んでいるエピファネイア

丁寧な調整がここにきて、実を結んでいるエピファネイア


 とはいっても、有力馬は先週の時点で参戦表明しているので、そのあたりを1週前追い切りを含めた、中間の追い切り内容からレポートしていこうと思います。ちなみに、トレセンが全休でも競馬を開催できるのは、厩務員をはじめとした、馬に関係している人が一般企業で言う「休日出勤」しているからという理由です。

 さて、神戸新聞杯で、間違いなく1番人気の支持を集めるのは、エピファネイアでしょう。デビューから3連勝でラジオNIKKEI杯2歳Sを制し、今年に入ってから、勝ち星はありませんが、すべて勝ち馬から0.1秒差以内という競馬。キズナがフランス遠征している今となっては、3歳牡馬のトップホースといってもよいでしょう。

 気になるのは、久しぶりという点ですが、中間の追い切りを見ているかぎり、春シーズンのような折り合いに難点を見せるシーンが格段に減っていると思います。夏を越しての精神的な成長もあると思いますが、弥生賞を負けてからの厩舎サイドの丁寧な調整がここにきて、実を結んでいるのではないでしょうか。

 調教欄に載る時計を出し始めたのは、9月に入ってから。9月11日のCW追い切りが1週前追い切りにあたるので、調教本数自体はあまり多くありません。しかし、その動きは中身が出来ていなければ、見せることができない軽快なものでした。併せて、大きく先着した相手、グラッツィアはラジオ日本賞を勝っており、そんな相手でも問題にしなかったのは、エピファネイアが動ける態勢だから。もちろん、実戦で引っ掛からない保障はありませんが、トレセンで見ているかぎりは問題ありません。

モタついた印象のタマモベストプレイ

モタついた印象のタマモベストプレイ


 皐月賞5着でも、2400mの距離が嫌われて、ダービーでは10番人気の低評価だったタマモベストプレイ。1800mまでを使っていた頃と比べて、勝ち馬との着差は開いているものの、決して負けすぎたという印象はありません。調教から、距離に関して「長い」「短い」を判断することは相当難しいため、この馬本来の調子にあれば、十分に対応できる。そのような基準にすると、今回は決して高い評価はできないと思います。

 1週前の追い切りでは、CWで古馬ダイコウキを大きく追走して、最後は僅かに先着。決して、全体時計が速かったわけではないのに、捕まえるのにモタついた印象があります。また、中間の坂路での時計も4F55秒を切るようなところはなく、負荷の強い追い切り本数が少ないように思います。一度、調子を上げると、その維持は難しくないタイプだと思いますが、まだエンジンは温まっていないような気がします。

 現時点で、馬券的に最も魅力を感じているのは、マジェスティハーツ。春時点から、クラシックレースに出走できるだけの素質があると思っていましたが、なかなか順当に勝ち上がるということができませんでした。それが、森一馬騎手とコンビを組むようになってから、2連勝。今回もコンビを組むことが決まっており、1週前追い切りには、ジョッキーが騎乗しています。

馬券的に最も魅力を感じているマジェスティハーツ(外)

馬券的に最も魅力を感じているマジェスティハーツ(外)


 その動きは「秀逸」。前半をゆったりと進めて、後半で脚を伸ばす。6F84.0秒で、3F37.6秒、1F12.1秒は、6F標識を折り合って通過し、直線に向く手前からしっかり加速できた証拠です。追い切り後の息の入りも非常にスムーズ。神戸新聞杯が行われる、阪神芝2400mは併用調教馬に適性が高い条件ですから、そういった点も評価できます。

 エピファネイアのレース次第では、菊花賞の勢力図に大きな変化が生まれるかも知れません。トライアルとはいえ、その内容には注目していただきたいと思います。

◆次走要注意

・9/14 中山11R レインボーS【エックスマーク】(1人/1着)

 道中は中団につけて、最後は馬群を縫って差す競馬。しっかり速い上がりを使えており、きっちりディサイファを捕まえるあたり、ハイセンスな素質を感じさせます。これで連勝となりましたが、まだまだ上を目指せる器。当然、最終追い切りでは抜群の動きを見せてくれないといけませんが、この厩舎なら好調維持は問題ないでしょう。

[メモ登録用コメント] [将来性◎]角居勝彦厩舎の勝負調教なら勝ち負け

・9/15 阪神11R ローズS【ピクシーホロウ】(13人/9着)

 重馬場の阪神芝1800mの1000m標識を先頭で通過した時計は58.2秒。超がつくハイペースをけん引しながら、二桁着順にはならずにゴール。スタートしてからの先行力を見ていても、重賞でペースをつくれる馬という印象でした。残念ながら、秋華賞への出走は難しいと思いますが、1000万下なら、ハナを切って、あっさり勝ち切るだけの能力はあります。

[メモ登録用コメント] [芝中距離][ハナ]大竹正博厩舎の勝負調教なら勝ち負け

◆今週末馬券圏内

・9/21 中山9R 九十九里特別【アウォーディー
 本来なら、春のクラシック路線に乗ってもおかしくない素質馬。ようやく、500万下を勝ち上がり、菊花賞馬デルタブルースと同じレースを使って菊花賞を目指します。速い脚に欠けるタイプなので、中山芝2500mには適性十分。あとは、最終追い切りをきっちり厩舎の勝負調教で仕上げてくれれば、勝って、G1の舞台へ進めると思います。

[メモ登録用コメント] 松永幹夫厩舎の勝負調教に該当すれば勝ち負け

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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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