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メイショウサムソン産駒のポイント

  • 2013年09月18日(水) 18時00分
 先週は紫苑Sに出走していたトーセンアルニカが、メイショウサムソン産駒なのが気になったという話で終わっていた。

 メイショウサムソンの現役時代は、ご存じのように皐月賞、ダービー、春秋の天皇賞を制した名馬だった。

 やや単調な体力とパワーで押すオペラハウス産駒に、やはりパワー優先のダンシングブレーヴという血統。

 その体力を活かして中長距離を走ったわけだが、オペラハウス産駒としては比較的まとまっていて、もちろん単調さが本質だが、集中力もオペラハウス産駒の中ではある方だった。

 こういうタイプで現役時代長距離を走った種牡馬は、自身よりやや距離適性が短く、淡泊な産駒が多くなりやすい(ただ、それなりのしぶとさもスパイス程度に持っているケースも内国産種牡馬には多く見られる)。

 実際、初年度産駒でオープンのプリンシパルSを勝ったサムソンズプライドは、プリンシパルSでは単調な逃げ切り勝ちだった。

 単調なタイプに多く見られるように、やはりメイショウサムソン産駒も、勝ち鞍のほとんどが逃げきりか、捲りや追い込みで、好位差しのような競馬は外枠や少頭数以外はあまりない。

 2勝を挙げているメイショウブシンは、2勝とも追い込み勝ちだ。

 そんな中、トーセンアルニカの2、3走前の中団差しでの連続連対は、メイショウサムソン産駒としてはかなりレアなケースになる。

 ということは、こういうタイプの内国産に潜む、ある程度のしぶとさを持ったタイプと考えた方が良いかもしれない。牝馬の方がそういう産駒は出やすいので、余計にしぶとさもある程度は併せ持った産駒と考えられる。

 実は馬柱で戦績を見た瞬間に頭をよぎったのは、以上の思考だった。

 そこで、鮮度の高いときの内枠ならと、本命にしようと思ったのだ。

 そこでもう一度、メイショウサムソン的な視点から馬柱を見てみた。

 するとどうしても、前走のスローを前に行く位置取りショックで2勝目を挙げたレースが気になってきた。

 2走前10番手から、一気に2番手。位置取りショックが派手すぎて、どうも単調な印象をぬぐえない。

 そんな一本調子な位置取りショックをした後で、果たして多頭数の内枠で好位差しのような、我慢する競馬が出来るものだろうか?

 メイショウサムソン産駒の淡泊さと、アクセントとして持ってるしぶとさのバランスがなんとも判断を難しくしている。

 これでストレス時や鮮度がないときなら間違いなく切り捨てだが、今回は鮮度が十分なので、しぶとさを見せる可能性も否定できない。

 そこで、本命ではなく対抗としたのだが、結果は5番人気4着。

 可もなく不可もないが、当日休み明けで2キロしか増えてなくて、連対時最高馬体重よりも4キロ減っていたことを考えると、むしろ予想以上の走りっぷりだった。

 メイショウサムソン産駒の結論としては、基本は一本調子だが、鮮度の高いときはある程度しぶとい(CL系的な)走りをする産駒がいるという評価で良いだろう。

 メイショウサムソン自身の適距離が2200mくらいだったことを考えると、それよりやや短い1800m〜2200mが一番のストライクゾーンで、非根幹距離や、小回りの2000mがベターなタイプが多くなりやすい。

 話は前後するが、このレースを勝ったのは逃げの位置取りショックを敢行したシンボリクリスエス産駒のセキショウという馬だった。

 当初はこのことについて書くつもりだったのだが、メイショウサムソン産駒の話が思いの外長くなってしまったので、来週以降、また機会があったらにしようと思う。

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ストレス、ショック療法など、競走馬の心身構造を馬券にする「Mの法則」を発見し、従来の競馬常識を完全に覆した。現在は、競馬雑誌等で活躍中のほか、馬券研究会「Mの会」を主催し、毎週予想情報の提供を行なっている。主な著書に「短縮ショッカー」、「ウマゲノム版種牡馬辞典」、「ポケット版 大穴血統辞典」などがある。

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