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ロードカナロア、グランプリボスなどスプリンターズS分析

  • 2013年09月24日(火) 18時00分
 秋のG1シリーズが今週からスタート。その初戦はスプリンターズS。前哨戦セントウルSを2着に敗れたとはいえ、ロードカナロアの断然人気は濃厚でしょう。馬券的には、この馬から入るのか、はたまた、別な馬から攻める予想、馬券で勝負するのか。私は完全に前者のパターンです。

追い切りの動きが良化しているロードカナロア

追い切りの動きが良化しているロードカナロア

 セントウルSの時点で、ロードカナロアが負ける想定はしていませんでしたが「100%に仕上げたつもりでしたが、レースが久しぶりだったということで、80%の力しか出せなかった」というのが、安田隆行調教師のレース回顧。私自身も調教を見るかぎり、手加減なしの全力仕上げだと印象があっただけに、師のコメントを聞いて納得。追い切り内容に抜かりはなかったということです。

 それでも、前走時よりも追い切りの動きが良化しているのが今回。9月20日に坂路を単走で追われましたが、4F52.6〜2F23.8〜1F11.7秒。終い、乗り手の手綱が動いていたということはありますが、それでも1F11.7秒なんて数字はなかなか出ません。ちょうど同じ時間帯にドリームバレンチノが追い切っていましたが、それと比較しても格段に上。調教を開始した時期も早く、今朝24日の坂路をキャンターで駆け上がる姿を見ても、手前替えがスムーズで、前走よりも良くなっています。最終追い切り前ではありますが、現時点で逆らう要素はひとつもありません。

追い切り本数が気になるグランプリボス

追い切り本数が気になるグランプリボス

 むしろ、上位人気で嫌う要素があるのはグランプリボス。その理由は追い切り本数。2004年以降のスプリンターズSでは、2頭の外国馬が優勝していますが、それ以外、日本馬が優勝した時は、すべて「追い切り本数が標準以上」でした。安田記念以来となるグランプリボスの標準追い切り本数は6本。現時点での追い切り本数は3本ですから、今週の調教で2本追い切ったとしても、標準には達しません。

 放牧先がノーザンFしがらきという点が非常に怖い(矢作厩舎と好相性)ところではありますが、過去のスプリンターズS優勝馬の調教内容を重視すれば、決して評価できません。今朝24日は内田博幸騎手が跨っての普通キャンターでしたが、かなりテンションを気にするような抑える内容。ただ、見ていると、ああいった走りができると、レースでの爆発力に繋がるのかも知れないという、これまた恐怖感がありました。

 セントウルSを勝ったハクサンムーンは当然、ロードカナロアの連覇を阻止する一番手だと思いますが、それでは馬券的妙味もありません。そういった意味では、同じ西園正都厩舎のマイネルエテルネルがちょっと面白い存在になってくれそうです。

面白い存在のマイネルエテルネル

面白い存在のマイネルエテルネル

 前走後、最初に坂路で時計になったのが、9月15日。ラスト1F14.8秒が調教欄に掲載されると思いますが、これは追い切りというよりも、勝手に時計になってしまったという感じ。今はそのくらい、行きっぷりがイイんですよね。今朝24日の坂路も一歩間違えば、追い切り時計になってしまいそうな勢い。前走増えた体重は、まさに充実している証なのかも知れません。これで、最終追い切りが西園正都厩舎の勝負調教にでも該当すれば、印順位はかなり上にしたいと考えています。

 いずれにしても、最終追い切りで、各馬がどのような動きを見せてくれるか。それに注目して、ロードカナロアから最も妙味のある馬券で秋最初のG1を的中させることができれば、なによりです。週末のNo.1予想もぜひご覧ください。

◆次走要注意

・9/21 阪神12R 3歳上500万下【フォーチュンスター】(6人/5着)

 追い切りは抜群に動き、見た目の馬体も500万下ではない印象。あっさりと勝ち上がると思っていたレースですが、直線、坂の途中で伸び切れないままに終わりました。
 ただ、坂を上り切ると、再び脚を見せていたので、完全に平坦向き。京都もしくは福島あたりなら、前走とは一変のレース内容を見せてくれるでしょう。

[メモ登録用コメント] [直線平坦][1200から1400]最終追い切りが坂路で終い最速ラップなら勝ち負け

・9/22 阪神11R 神戸新聞杯【ウインアルザス】(12人/12着)

 ヒルノドンカルロとのハナ争いになり、最終的には共倒れ。菊花賞の権利を獲れなかったという意味では、結果の残せないレースでしたが、これだけ果敢にハナを主張すれば、次走は必ずハナに立てるでしょう。
 2走前の惨敗もあるので、今回が良い転機になったはず。次走は芝中長距離なら変わってきます。

[メモ登録用コメント] [芝中長距離][ハナ]西園正都厩舎の勝負調教なら勝ち負け

◆今週末馬券圏内

・9/29 阪神11R ポートアイランドS【レッドアリオン

 NHKマイルCはメンバー最速の上がりを使うも、出遅れが響いて4着。レース内容は勝ち馬に見劣ることのない走りでした。今回のメンバーはコパノリチャードを筆頭になかなか強い相手が揃いましたが、この馬だって負けていません。
 しかも、秋開催の阪神芝1600mは橋口弘次郎厩舎の鉄板スポット。最終追い切りをある程度速い時計(坂路4F51.9秒以下)で動いてくれれば、まず勝ち負けでしょう。

[メモ登録用コメント] 最終追い切りが栗東坂路で4F51.9秒以下なら勝ち負け

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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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