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ゴールドシップ、ショウナンマイティなど京都大賞典・毎日王冠分析

  • 2013年10月01日(火) 18時00分
 今週から開催が替わり、東京競馬場、京都競馬場での開催が2ヶ月ほど続きます。その開幕週に行われるのが、毎日王冠と京都大賞典。どちらも、秋の古馬G1戦線には欠かせない馬たちが登場するので、今朝の様子を含めた、レポートをお届けしようと思います。

戦闘モードに入っているゴールドシップ

戦闘モードに入っているゴールドシップ

 まずは、京都大賞典のゴールドシップ。宝塚記念以来の出走となり、夏場は北海道で休養。58キロという斤量を背負うことを考えても、ここで勝ちに行くレースをする必要がないシチュエーションであることは、明らかです。しかしながら、トレセンで馬を見ていると、そんなことは緩い感じは一切ありません。

 なにせ、内田博幸騎手がレース2週前から、手綱を握り、前運動から後運動まで、びっしりと稽古をつけています。そう、宝塚記念の時と同じ方法ですが、それを京都大賞典でも敢行したわけですから、やっぱりトライアルという位置付けではないのでしょう。坂路での調教を間近で見ることができたのは、今朝が3回目ですが、嫌々をする仕草を見せていた先週と比べると、今週は戦闘モードに入っています。

「内田さんの言うこと、聞きます」

 ゴールドシップを見ていると、なんだか、そんな感じに見えたので、きっと、勝負どころで動けない、なんてことはないでしょう。あとは、最終追い切りの動き次第。できれば、須貝尚介厩舎の勝負調教に該当してくれれば、言うことはありません。

非常にいい感じで動けているヴィルシーナ

非常にいい感じで動けているヴィルシーナ

 1週前の追い切りを見て「これは!!」と思ったヴィルシーナ。2週前の動きはやや緩慢に見え、時計も遅かったCWコース。同じ場所での追い切りでしたが、鞍上に今回からのコンビとなる岩田康成騎手が跨ると、その動きは一変。非常にいい感じで動けており、ジョッキーとの相性はかなり良さそうに思えます。

 ただ、気になる点がひとつ。今朝、友道康夫調教師に取材すると、明日2日の追い切りはCWで行うとのこと。この馬自身、CWコースでの最終追い切り経験はなく、また、京都大賞典で好走する最終追い切り場所は栗東坂路。データ的な意味で、高い評価ができないかも知れませんが、とにかく、馬とジョッキーのコンビには注意しています。

夏の疲れはないニューダイナスティ

夏の疲れはないニューダイナスティ

 最終追い切り場所が、栗東坂路になりそうなところで、注目はニューダイナスティ。もともと京都芝2400mへの実績がある馬ですから、コース適性でも十分に狙える馬かも知れませんが、調教からも適性が十分にあると思います。その理由は、石坂正厩舎の勝負調教。詳しくは新書をご覧いただきたいのですが、石坂厩舎は最終追い切り坂路でのラスト1Fが12.5秒以下なら、勝負調教。

 京都大賞典というレースは、ラスト1Fが最速になるラップを踏んでいる馬に好走実績があるので、ニューダイナスティの追い切りは厩舎の勝負調教に該当し、京都大賞典にも適した追い切りになるという可能性が高いわけです。今朝も坂路でのキャンターを2本こなしていましたが、精悍な顔つきで夏の疲れも一切ありません。

今回は順調さを欠いているショウナンマイティ

今回は順調さを欠いているショウナンマイティ

 毎日王冠の1番人気は、安田記念で惜しい2着になったショウナンマイティでしょうか。前走後はすぐに放牧に出ず、栗東で調整してから、という変則的な形でした。それが影響したというわけではないのでしょうが、今秋は8月30日にノーザンFしがらきから帰厩した割に、調教欄に掲載される時計の出し始めが遅くなっています。

 それが9月14日。約3週間あるので、それでも十分に追い切り本数は足りていますが、帰厩から2週間、調教を緩めざるえなかったあたりが、今回は順調さを欠いていると表現してもよいでしょう。やれば動く馬。1週前追い切りは、CWコースでさすがの時計を出していますが、終いの伸びはひと息。全体の時計を出しながらも、ラスト1F切れるというのが、この馬の特徴ですから、最終追い切りでは、そのあたりの動きに注目しています。

順調そのものといった感じのジャスタウェイ

順調そのものといった感じのジャスタウェイ

 昨年の同レース2着はジャスタウェイ。今年は関屋記念を叩くローテーションになりました。その分、中間の追い切り本数は入念。実は、春のエプソムC時もレース間隔があいていたわりには、追い切り本数が多く、最終追い切りでは素軽い動きを見せていました。この中間、そして今朝の様子を見ていても、仕上がりに関しては順調そのものといった感じ。きっと、須貝尚介厩舎の勝負調教(馬なりで併せ馬を同入か先着)で仕上げてくれるような気がします。

◆次走要注意

・9/28 阪神2R 2歳未勝利【ウィットウォーター】(11人/16着)

 スタートは悪くないものの、終始鞍上を手こずらせるような仕草を見せて、追えないままにレースが終了。栗東坂路での追い切りから、未勝利くらいはすぐにクリアできるスピードは持っていると思います。
 ただ、まともにコーナーリングもできないようでは話になりません。直線競馬で能力全開になる時を待ちましょう。

[メモ登録用コメント] [直線競馬]最終追い切りが栗東坂路で4F52.9秒以下なら勝ち負け

・9/29 中山9R 勝浦特別【トレノソルーテ】(7人/5着)

 ゲートオープン直後に絶好の位置につけ、そのまま、直線へ向くも伸び負け。やはり上がりが速くなるレースでは、これが限界でしょう。
 ただ、レースぶりは確実に安定しており、ローカルの芝1200mなら十分に通用しそう。できれば、乗込坂路か標準多め坂路の本数強化が理想です。

[メモ登録用コメント] [芝1200m][福島新潟]乗込坂路もしくは標準多め坂路なら馬券圏内

◆今週末馬券圏内

・10/6 東京11R 毎日王冠【ダークシャドウ

 本文では、ショウナンマイティとジャスタウェイに触れた毎日王冠ですが、調教データ的にはこの馬。秋開催の東京芝1800mは堀宣行厩舎が鉄板スポットですし、堀厩舎としては、必須の1週前追い切り併せ先着もクリア。
 中間の追い切り内容には文句がありませんから、あとは最終追い切りの併せ馬で先着なら、鉄板スポットに該当。仮に単走だったとすれば、それは堀宣行厩舎の勝負調教ですから、単走もしくは先着なら買いという判断でお願いします。

[メモ登録用コメント] 最終追い切りが単走もしくは併せ先着なら勝ち負け

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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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