実は何年も前から毎日、地方の2歳戦の結果をチェックするということを地味に続けているのだが、今年は異様にサウスヴィグラス産駒の活躍が目立っている。
おどろいたのが7月30日で、門別で行われた2歳戦4レースのうち3レースの勝ち馬がサウスヴィグラス産駒。さらに同日大井で2歳新馬戦が2レース行われたのだが、その2レースともに、勝ったのはなんとサウスヴィグラス産駒だった。ほかに金沢で2歳戦が1レース行われ、さすがにそれはサウスヴィグラスではなかったのだが、それでもこの日全国で行われた2歳戦7レースのうち5レースでサウスヴィグラス産駒が勝った。
地方の2歳戦で今年特徴的なのはサウスヴィグラス産駒だけでなく、エンドスウィープ系全体で活躍が目立っていること。
10月2日現在の地方2歳種牡馬ランキング(賞金)を見てみると、1位サウスヴィグラス、2位スウェプトオーヴァーボード、4位プリサイスエンドと、実に上位4位までの3頭をエンドスウィープ系が占めていた(ちなみに3位はノボジャック)。
中でもサウスヴィグラスの5153万5千円という賞金はダントツで、2位スウェプトオーヴァーボードの2682万8千円にダブルスコア近い差をつけている。
勝利数でもサウスヴィグラスの40勝はダントツ。2位がスウェプトオーヴァーボードとノボジャックで、ともに16勝だ。
それでも意外なのは2歳重賞ではまだサウスヴィグラス産駒の勝利がないことで、とはいえエンドスウィープ系は大活躍。ここまで全国で行われた2歳重賞9戦のうち、スウェプトオーヴァーボード産駒が3勝、プリサイスエンド産駒が1勝となっている。
象徴的だったのは、8月20日に門別で行われた2歳牝馬の重賞リリーカップで、1着クリノエリザベス(父プリサイスエンド)、2着ビービーキャンディ(父サウスヴィグラス)、3着カクシアジ(父スウェプトオーヴァーボード)と、エンドスウィープ系が3着まで独占。さらにカクシアジはその後、9月19日に園田に遠征して園田プリンセスカップを制した。
ちなみにこうした傾向は昨年からのもので、昨年の地方2歳種牡馬ランキングでは、1位こそタイムパラドックスだったが、2位サウスヴィグラス、3位プリサイスエンド、4位スウェプトオーヴァーボードだった。
こうした傾向は、これから本格化する2歳重賞戦線でも続くだろうから、馬券検討の際には頭の片隅にでも入れておくといいかもしれない。
また10月7日からはじまる北海道オータムセールは、取引される馬の価格的に地方からデビューする馬が多く、こうしたエンドスウィープ系大活躍の傾向は、セリの結果にも少なからず影響するかもしれない。