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エンドスウィープ系大活躍

  • 2013年10月04日(金) 18時00分
 実は何年も前から毎日、地方の2歳戦の結果をチェックするということを地味に続けているのだが、今年は異様にサウスヴィグラス産駒の活躍が目立っている。

 おどろいたのが7月30日で、門別で行われた2歳戦4レースのうち3レースの勝ち馬がサウスヴィグラス産駒。さらに同日大井で2歳新馬戦が2レース行われたのだが、その2レースともに、勝ったのはなんとサウスヴィグラス産駒だった。ほかに金沢で2歳戦が1レース行われ、さすがにそれはサウスヴィグラスではなかったのだが、それでもこの日全国で行われた2歳戦7レースのうち5レースでサウスヴィグラス産駒が勝った。

 地方の2歳戦で今年特徴的なのはサウスヴィグラス産駒だけでなく、エンドスウィープ系全体で活躍が目立っていること。

 10月2日現在の地方2歳種牡馬ランキング(賞金)を見てみると、1位サウスヴィグラス、2位スウェプトオーヴァーボード、4位プリサイスエンドと、実に上位4位までの3頭をエンドスウィープ系が占めていた(ちなみに3位はノボジャック)。

 中でもサウスヴィグラスの5153万5千円という賞金はダントツで、2位スウェプトオーヴァーボードの2682万8千円にダブルスコア近い差をつけている。

 勝利数でもサウスヴィグラスの40勝はダントツ。2位がスウェプトオーヴァーボードとノボジャックで、ともに16勝だ。

 それでも意外なのは2歳重賞ではまだサウスヴィグラス産駒の勝利がないことで、とはいえエンドスウィープ系は大活躍。ここまで全国で行われた2歳重賞9戦のうち、スウェプトオーヴァーボード産駒が3勝、プリサイスエンド産駒が1勝となっている。

 象徴的だったのは、8月20日に門別で行われた2歳牝馬の重賞リリーカップで、1着クリノエリザベス(父プリサイスエンド)、2着ビービーキャンディ(父サウスヴィグラス)、3着カクシアジ(父スウェプトオーヴァーボード)と、エンドスウィープ系が3着まで独占。さらにカクシアジはその後、9月19日に園田に遠征して園田プリンセスカップを制した。

 ちなみにこうした傾向は昨年からのもので、昨年の地方2歳種牡馬ランキングでは、1位こそタイムパラドックスだったが、2位サウスヴィグラス、3位プリサイスエンド、4位スウェプトオーヴァーボードだった。

 こうした傾向は、これから本格化する2歳重賞戦線でも続くだろうから、馬券検討の際には頭の片隅にでも入れておくといいかもしれない。

 また10月7日からはじまる北海道オータムセールは、取引される馬の価格的に地方からデビューする馬が多く、こうしたエンドスウィープ系大活躍の傾向は、セリの結果にも少なからず影響するかもしれない。

1964年生まれ。グリーンチャンネル『地・中・海ケイバモード』解説。NAR公式サイト『ウェブハロン』、『優駿』、『週刊競馬ブック』等で記事を執筆。ドバイ、ブリーダーズC、シンガポール、香港などの国際レースにも毎年足を運ぶ。

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