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ここ一番の底力、今年も上位独占の流れか

  • 2013年10月11日(金) 12時00分
 オルフェーヴル、キズナの敗戦は残念だった。しかし、嘆いても仕方がない。気を取り直して、今週の秋華賞に目を向けることにしよう。

 もしキズナが菊花賞に出ていれば状況は変わったかもしれないが、ディープインパクトの牡馬は、3歳の秋を迎えると何だか頼りない。春は飛ぶ鳥を落とす勢いなのに、それを秋まで持ち越せないでいる。

 だが、牝馬は違う。昨年のジェンティルドンナ、ヴィルシーナで決まったような上位独占の流れが、今後も起こり得るだろう。

 今年の場合は、桜花賞を勝ったアユサンが脱落。オークス2着のエバーブロッサム、同3着のデニムアンドルビーが代わって浮上することになった。ディープインパクト牝馬のここ一番の底力を信じて、この2頭を中心に買ってみたい。

 デニムアンドルビーはデビューが遅れ、勝ち上がったのは今年の3月。だが、続くフローラSで初重賞制覇を果たし、オークスでも3着となった。

 母は名牝トゥザヴィクトリーの半妹。母系は世界的な名牝系で、曾祖母、4代母はともに米GI勝ち馬である。追込みタイプで、京都の内回りが不安視されているが、血統の伸びしろはまだあるとみる。

 エバーブロッサムはエイジアンウインズ(ヴィクトリアマイル)の半妹。父がディープインパクトに代わって、さらにパワーアップした。トライアルのローズSを2番人気で17着に敗退したが、これで人気を下げるなら馬券的には面白い。

 他の種牡馬の産駒では、阪神JFの勝ち馬ローブティサージュ。桜花賞、オークスで期待を裏切ったが、母系は近親にヴィクトワールピサ(ドバイワールドC)がいる名門。一族には晩成タイプが多く、まだ早熟とは決めつけられない。

 ティアーモは父がキングカメハメハで、母系は欧州の名牝系。トーセンソレイユはディープインパクトの半妹。2頭とも血統はメンバーで最高ランクに位置する。以上の3頭は押さえておこうと思う。

血統評論家。月刊誌、週刊誌の記者を経てフリーに。著書「競馬の血統学〜サラブレッドの進化と限界」で1998年JRA馬事文化賞を受賞。「最強の血統学」、「競馬の血統学2〜母のちから」、「サラブレッド血統事典」など著書多数。

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