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絶対的な軸不在の秋華賞

  • 2013年10月11日(金) 18時00分
 こんなことを言ってはいけないのだが、「買いたい馬が見つからない」というのが今年の秋華賞である。

 そもそもややこしくなったのは、ローズSが重馬場+前傾ラップという特殊な条件で行われたことだ。正確には前傾というか、全員のバテ方が激しくラスト2ハロンが12.5秒→13.2秒(それより前は11秒台が続いている)となったわけだが、ともあれ特殊なレースであったことは間違いない。

 本来、ローズSは秋華賞に直結しやすい。いまは阪神外回り→京都内回りというステップになるので適性の違いを心配する人も多いが、適性より地力という結果になってしまうことが多い。ローズSの条件変更前も含めた過去10年で見ても、ローズSで掲示板を外して本番で馬券に絡んだのはブラックエンブレムしかいない。惜しいと言える4着馬もいない。

 ということでまずはローズS掲示板組を検討しなくてはならないが、これぞ本命だという気分にさせられる馬がいない。

 デニムアンドルビーは地力に疑いはないが、京都内回りになることがマイナスになりそうな脚質。前走は自身が差したという以上に前が止まっているが、それが考慮させずに人気が盛り上がるというのは芳しくない。もともと脚質的なリスクはある馬で、京都内回りで勝ち切るためにはフローラSの時のように4角で押し上げる競馬をしたほうがよいと思うが、鞍上はどのような評価をするか。

 シャトーブランシュはキングヘイロー×トニービンで、いかにも前走は馬場の恩恵を受けたという印象。そもそも前々走も不良馬場での勝利だ。土日の京都は雨が降らないようなので、今回は割引が必要になるだろう。

 ウリウリは3着あたりに引っかかってきそうなムードがあるが、春にもオープン特別・重賞に顔を出してそこで足りなかったというのが割引材料。春クラシックに絡まず、夏に1000万条件を勝ってローズSで3着、というような形なら買いやすいのだが。

 メイショウマンボはローズS上位馬の中では積極的に仕掛けてそれなりに残っているのでその点は評価できる。いまのところこれを本命にしようかと思ってはいるのだが、人気薄でオークスを勝った馬というのはその後あまり活躍しないことが多いので、そこが気になる。

 ローズSで掲示板を外した組でシルシを回せるのは、ローブティサージュとエバーブロッサムだろうか。前者は6着といっても今回5着馬不在だし、当時は前に居たわりには粘れている。後者は明らかに馬場に殺されていた。ただあまりにひどいレースになってしまっただけに、心身への影響がどの程度であったか心配だ。

 ローズS組が決め手に欠くなら別路線組……となりがちだが、過去10年(0.0.0.38)の紫苑S組は取りづらいし、(0.0.2.26)とイメージほど走っていない前走条件戦組も軸にまではできない前走条件戦組から取るならばやけに人気が盛り上がっているスマートレイアーより、オークス6着(今回のメンバー中では4番手)である程度保証がついているティアーモのほうが個人的には買いやすい。

 あと残るのはサクラプレジールだが、オークスからの直行は秋華賞創設後通算でも(2.0.1.20)で2勝はともに春クラシック馬。買いたいという候補馬が少ない今年だけにシルシは回すが、重いシルシまでは踏み切りづらい。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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