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ジャパンC、馬券の中心は日本馬で

  • 2013年11月22日(金) 12時00分


◆道悪でなければ今年の外国馬は軽視

 今週はジャパンC。第20回あたりまでは、外国馬の血統や競走成績に頭を悩ませ、取捨選択に迷ったものだが、それも今は昔の話となりつつある。

 過去10年、外国馬が勝ったのは2005年のアルカセットのみ。2着はゼロ。3着は翌年のウィジャボードのみという寂しさ。過去6年に至っては、ずっと馬券に絡んでいない。何も迷うことはないのだ。

 それでも一流半、二流の外国馬を軽視し、何度も痛い目に遭った昔のトラウマを引きずっている。「もしや、もしや」と馬券を買い、性懲りもなく裏切られ続けている。

 外国馬とその関係者は、輸送費も滞在費も何もかもJRA持ち。至れり尽くせりのご招待のうえに、優勝賞金は2億5000万円と高額だ。そんなおいしいエサを振りまくのに、一流馬がいっこうに来てくれない。

 日本馬のレベルが上がったこと、日本特有の高速馬場に対応できないこと、香港にも12月に国際レースができたこと、検疫や輸送の関係などがその理由に挙げられる。

 凱旋門賞、ブリーダーズCを経由しての参戦はローテーション的にきつく、引退もしくは休養に入るか、ジャパンCを叩き台にして12月の香港を目標にする馬が多くなった。

 今年も外国馬の参戦はわずかに3頭、おまけに一流半以下の馬ばかり。どれも血統的にはスタミナとパワーの配合で、3000m級が合う感じだ。道悪になれば一応の警戒が必要だろうが、良馬場では用なしの印象を受ける。

 馬券は日本馬が中心で良さそうだ。ディープインパクト産駒は3歳のクラシック戦線に強い半面、古馬になっての伸び悩みが課題だったが、先週のマイルCSをトーセンラーが制して払拭した。今後、古馬戦線でも勢いに乗るだろう。産駒の筆頭格ジェンティルドンナがやはり中心か。

 逆転候補はゴールドシップ。母の父メジロマックイーン譲りの長い末脚がこの馬の武器だ。穴っぽいのはルルーシュとアドマイヤラクティ。ともに東京の長距離に強い配合になっている。

 しかし、そんなことを言いながら今年も、性懲りもなく外国馬を絡めた穴馬券を買う気がする。昔、それでおいしい思いをしたこともあるものだから。悲しい性だね。

血統評論家。月刊誌、週刊誌の記者を経てフリーに。著書「競馬の血統学〜サラブレッドの進化と限界」で1998年JRA馬事文化賞を受賞。「最強の血統学」、「競馬の血統学2〜母のちから」、「サラブレッド血統事典」など著書多数。

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