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有馬記念、ステイゴールド2強の一角を崩すとすればこの種牡馬

  • 2013年12月20日(金) 12時00分


◆すでに真冬なみに力を要する馬場となっている中山

 今朝(12月19日)の読売新聞に、「オルフェーヴルの初年度の種付料が600万円」と報じられていた。ディープインパクトの初年度は1200万円だった。それに比べると600万円は安い。

 しかし、今はサンデー系の成功種牡馬がだぶついている。競馬界も不況で、高額の種付料を工面できる生産者、馬主は一握りしかいない。それに名馬といえども種牡馬としては未知数。この600万円は妥当な金額のように思う。

 産駒を競馬場に送り出して実績を重ね、自力で種付料を上げればいい。父ステイゴールド×母の父メジロマックイーンという叩き上げ血統には、そのほうが似合っている。

 今週はそのオルフェーヴルが引退する有馬記念。例年、この時期になると芝の根つきが休眠状態となり、雨が降らなくても馬場が荒れて力を要する。今年は寒さが早く訪れたせいで、すでに中山は真冬なみのパワー競馬に変身している。先週も、東京のスピード競馬で好走した馬が、人気になって凡走するシーンが目についた。

 現役の種牡馬で、こうしたパワーを要する馬場に強いのがステイゴールドだ。過去、有馬記念の優勝馬が3頭。昨年などゴールドシップ、オーシャンブルーのワンツーで決まった。阪神大賞典で大逸走したシーンが頭をよぎるが、素直にオルフェーヴルから買うことにしよう。

 相手は同じ血統構成のゴールドシップ。ただ絶好調のムーアが乗ってくるだけに、馬券的には妙味がない。ステイゴールドに次いで荒れた馬場に強いのが、キングカメハメハ、ハーツクライ、ゼンノロブロイ。2強の一角を崩すとすれば、この3頭の種牡馬か。トゥザグローリー、ラブリーデイ、ルルーシュらを穴に狙ってみる。

 もう1頭、ダノンバラードはディープインパクト産駒だが、母系は世界でも一級レベル。こちらの影響を強く受けてパワータイプに出ている。今夏、馬場が荒れた宝塚記念で先行して2着に粘った。その再現も想定しておきたい。

血統評論家。月刊誌、週刊誌の記者を経てフリーに。著書「競馬の血統学〜サラブレッドの進化と限界」で1998年JRA馬事文化賞を受賞。「最強の血統学」、「競馬の血統学2〜母のちから」、「サラブレッド血統事典」など著書多数。

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