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ゲストに笹田和秀調教師をお迎えした太論・特別編がスタート!

  • 2013年12月24日(火) 18時00分
太論


『太論』年末年始スペシャル! 小牧騎手のゴルフ仲間で“飲み友”でもある笹田和秀調教師をゲストに迎え、今年の競馬界を振り返っての競馬談義や、太論に寄せられたユーザーからの質問をテーマに熱いトークを展開します。第1回の今回は、おふたりの交流が始まったきっかけや、JRA移籍当初の小牧騎手について、笹田師が秘話を明かします。
(取材・文/不破由妃子)



■小牧騎手は、人見知りで暗〜い人!?

──笹田先生、通算100勝達成(11月10日・京都6R)おめでとうございます。

笹田 ありがとうございます。

──内田博騎手騎乗のワンダーアシャードでの勝利でしたが、本当は小牧さんが騎乗される予定だったんですよね(前日の落馬で乗り替わりに)。

笹田 そう。メモリアルの100勝は太で、と思っていたんだけどね。99勝した時点で、次はワンダーアシャードの番だなと思っていたし、やっぱりメモリアルの勝利は仲のいいジョッキーでという気持ちがあったから。

小牧 僕もね、先生の100勝は僕がって決めてたんですけどねぇ。仕方のないこととはいえ、すみませんでした。僕も残念でしたわ。でも内田くんがしっかり勝ちましたからね、よかったなと思って。

笹田 200勝のときに、またお願いするよ。太が元気で現役を続けていたらね(笑)。

小牧 はい。よろしくお願いします。

──小牧さんからは、ゴルフ仲間であり“飲み友”だとうかがっておりますが、現在のようなお付き合いが始まったきっかけは?

笹田 きっかけはゴルフだよな? 新聞社に共通の知人がいて、その人を通じて一緒にゴルフを回るようになって。

小牧 そうです。ゴルフに行くと、終わったあとに食事をしたり、飲んだりしますものね。

──それは小牧さんがJRAに移籍されてすぐですか?

笹田 いやいや、そうでもないです。当初は、お互いにゴルフをするなんて知らなかったし。

小牧 先生は開業されて5年ですよね。その前は伊藤雄二先生の厩舎で助手をしていらして、当時からいろいろお世話になってはいたんですけどね。僕がJRAに入ったときに、最初に調教を手伝わせてもらったのが伊藤雄二先生の厩舎でしたから。

笹田 そうだったね。太の師匠(曾和直榮氏)と伊藤先生が仲が良かったから。地方ジョッキーのころから、中央に乗りにきたときはときどき乗ってもらっていたしね。

小牧 はい。曾和厩舎には伊藤雄二厩舎からの転厩馬がけっこういました。僕も地方時代、シャワーパーティーで3連勝させてもらいましたしね。

笹田 シャワーパーティーは、今でも園田1400mのレコードホルダーだよな。

小牧 ですね。僕が中央にきてから、弟の毅(現調教師)が乗ってマークして。それ以前に、JRAで年間20勝以上しないことには一次試験免除の対象(当時は過去5年に年間20勝以上を2回以上達成した地方騎手は一次試験免除という特例があった)にならなかったんですけど、たしか2002年の20勝目を伊藤先生のところのセンターアンジェロで勝たせてもらったんですよね。みんなに「よかったな!」って言ってもらったので、よく覚えています。伊藤雄二厩舎はもちろん、当時はいろんな厩舎からバックアップしてもらいました。そんなご縁があって、JRAにきてからも調教を手伝わせてもらって。当時は緊張してましたわ。そういえば、併せ馬をしているとき、笹田先生に「お前の拳は硬いな」って言われたのが印象に残っています。

笹田 ああ、そうやったな。地方の馬は口が硬くて、太はそういう馬に慣れていたからね。

小牧 僕も口は堅いですけどね(笑)。

笹田 僕は口が軽い(笑)。なんていうのかな、地方ジョッキーは、ギュッとしっかり手綱を持つわけですよ。その点、中央の馬は手綱をソフトに持つからね。そういう癖が、当時はまだ抜けていなくて。拳が硬いなと思ったのともうひとつ、体がガッチリしているから「本当に乗り役かな」と思ったね。ジョッキーの体って、スッとしているでしょ? でも、太は少しポチャッとして見えたんで。

小牧 確かに、ジョッキーとしたら太いほうですからね。

──移籍当初の小牧さんは、笹田先生から見てどんなキャラでしたか? 今では誰からも慕われている明るいキャラが定着していますが。

小牧 そんなキャラではなかったですよね?

笹田 うん。今でも飲んだりすれば明るいけど、普段はずっと下を向いているような暗い人(笑)。

小牧 そんなバカな(笑)。
太論

笹田師「(小牧騎手は)普段は暗い人(笑)」


笹田 冗談ではなく、話し始めればすごく話しやすいけど、人見知りするのか、今でも誰とでもすぐに打ち解けるような感じではないよね。

小牧 それはそうかもしれませんね。

──そうなんですね。2年以上、太論を担当させていただいていますが、それはちょっと意外でした。では、2013年の競馬界の出来事を振り返っていきたいんですが、おふたりが一番印象に残っている出来事はなんですか?

笹田 凱旋門賞でオルフェーヴルが負けたことが…。あれはショックでしたね。

小牧 僕はキズナがダービーを勝ったことかな。武豊が勝ったことがね、うれしかったですね。みんな復活、復活ってよくいうけど、そもそもが天才ジョッキーなんやし、武豊の活躍を見て、僕らも頑張ってきたわけだから。まぁ、彼のことより、最近は自分がもっと頑張らなアカンとは思うんやけどね(笑)。

【次回の太論は?】
太論スペシャル対談第二弾。2013年、一番印象に残った出来事として、武豊騎手のダービー制覇を挙げた小牧騎手。笹田師もまた、長年、名門・伊藤雄二厩舎の番頭として、そして現在は調教師として、武豊騎手とは深いつながりがあるだけに、話題は自然と“武豊談義”になり…。はたして笹田師が語る天才の凄さとは!? 公開は年明けの1/7(火)になります。
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太論 / 小牧太
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1967年9月7日、鹿児島県生まれ。1985年に公営・園田競馬でデビュー。名伯楽・曾和直榮調教師の元で腕を磨き、10度の兵庫リーディングと2度の全国リーディングを獲得。2004年にJRAに移籍。2008年には桜花賞をレジネッタで制し悲願のGI制覇を遂げた。その後もローズキングダムとのコンビで朝日杯FSを制するなど、今や大舞台には欠かせないジョッキーとして活躍中。

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