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セプテンバーS

  • 2003年09月26日(金) 12時11分
 10年ぐらい前と比べると、最近はベテランホースの活躍が目立っているという数字がある。たとえば、7歳以上馬の重賞勝ちは、平成1〜5年の5年間では「9」。平成6〜10年の5年間は「20」。平成11〜15年は、もうすでに「35」勝という記録だ(平地)。

 理由はさまざまだが、かつては(旧)7〜8歳などというともうベテランで衰えた、などといわれるケースが多かったが、育て方、使い方しだいで、7歳馬(旧8歳)だって年間に10レース近くの重賞を勝ってしまうのだから、変に回転を早めるのは、早く次の馬が欲しいという厩舎のスタッフの歓迎してはいけないサイクルなのだろう。

 藤沢和厩舎は、その仕上げの流儀もあるが、ベテランホースがそろっている。レディブロンドは5歳牝馬だが、かつての表記でいくと「6歳秋」。ところがこの牝馬、デビューしたのは今年の夏、満5歳になってからだった。いきなり1000万特別に出走してあっさり勝ってしまったからスゴい。

 5歳牝馬の夏が、ふつうでいくとどのくらいベテランかというと、次週のスプリンターズSでいよいよ引退というビリーヴが5歳の牝馬だ。ビリーヴはもうG1を2勝し、通年26戦[10.2.5.9]で、これでも5歳馬とすれば、出走数は多くない。

 それを考えると、今年の6月末にデビューしたばかりで、4連勝のレディブロンドは立派だ。来年あたり、6歳(旧7歳)になって、トップ牝馬に成長しているかもしれない。

 母は2400mの独G1を勝ち、英オークス2着馬。3代母も仏オークス馬。父シーキングザゴールドも、それはスプリンターを送ることが多いが、ドバイミレニアムを送ったように、中には距離をこなす馬も送る。レディブロンドも、ひょっとすると、1600m前後の方がもっと強いかもしれない。

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1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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