早めにデビューし、なおかつここに挑戦する馬の顔ぶれにより大きくレベルの差ができる2歳の1800m重賞だが、今年はサンデーサイレンスの産駒が4頭もいる。かなり質の高い組み合わせだろう。
このレースを出発に、やがてG1級に育ったジャングルポケット、テイエムオーシャン、サクラプレジデントとまではいかなくとも、大きく将来性に注目したい馬はいる。
走りっぷりにまだ迫力は欠くが、シャープなストライドで追っての味を感じさせるのは、キョウワスプレンダ。母キョウワホウセキは結果小差3着だったが、若い日の武豊騎手が坂下で一気にスパートして先頭に立ったオークスの3着馬。10年も前のことで、もし現在の武豊だと仮定するなら、おそらく勝っていたかもしれない。本質はマイラー型だが、ルドルフが伝える底も、成長力もあった。
そこへサンデーサイレンス。全兄アサカゲイルのように、気難しさを前面に出してしまうような性格が出てこなければ、中距離型、あるいはマイラーとしてかなりの出世ができる。底力というよりやや軽いシャープなタイプだが、ここでは将来性NO.1だろう。
前走は凡走したが、アラビアンナイトの巻き返しにも注目したい。こちらはパワー型のストライドで、やがてはダート巧者に育つかもしれないが、デビュー戦で上がり34.9秒。追い通しであの追っての味は、底力のレースになって浮上すること必至だ。その意味で2歳のいまの時期の1800mは合う。
中山の11Rも好カード。ベテランのダート巧者を、格上がりのピットファイターあたりが倒せるようだと、ますます層が厚くなる。
父母両系ともにアメリカのダート競馬で大活躍のスピードとパワーを伝えている。1000万からいきなりオープン、それも別定戦だが、十分通用すると考えたい。