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渋馬場に不安なし/東京新聞杯

  • 2014年02月08日(土) 18時00分


◆自在性がここで大きな強みに

 昨年の安田記念を2着のショウナンマイティが始動する。3着ダノンシャークもここから出発する。そこに昨年のこの東京新聞杯のクラレントが2連覇を狙って出走する。路線を変えてマイルの京都金杯を快勝したエキストラエンド、予想通りマイル路線に転換することになった4歳コディーノが加わった。ヴィクトリアマイルのヴィルシーナ、同じく2着のホエールキャプチャ以下もいる…。

 近年では希にみるハイレベルの東京新聞杯になったが、土曜日の大雪の影響が大きく残ると思われる。渋った芝は避けられない。さらに流れはスローになる可能性もある。比較が難しいだけではない、難解な接戦にもつれこみそうである。

 5歳クラレント(父ダンスインザダーク)から入りたい。昨年は阪神C1400mを1分21秒3で5着(56キロ)のあと、ここを1分32秒9(56キロ)で鮮やかに抜け出した。

 今年もほぼ同じようなローテーションをこなし、前走の阪神Cを1分21秒5で3着(キ57キロ)のあとがこのレースになった。阪神Cはちょっと折り合いを欠くようなシーンもあったが、斤量を考えるとほとんど同一にも近い内容である。

 中間の動きは一段とパワフルになった印象もあるから、ここまで「NHKマイルC3着、富士S1着、キャピタルS4着、そして東京新聞杯1着」の東京1600mでは、現在の能力をフルに発揮してくれると期待したい。

 最終追い切りは、ピカピカに光る馬体で、力強さ満点だった。芝の重馬場では2歳時の東スポ杯2歳S1800mで大敗しているが、あれはもう2年以上も前のこと。渋馬場に不安ありとは思えない。もともと軽快な切れのいいストライドで高速のレースをこなすというより、パワーで押すタイプに近い。この枠順で、相手の脚質を考えると、本来の好位抜け出しを意識した位置取りになると思えるが、この自在性もここでは大きな強みとなるはずである。

 どんどん馬体が充実しているエキストラエンドと、立て直してマイル路線に方向を変えてきたコディーノが強敵。エキストラエンドはマイラーというより、1800-2000m向きではないかの懸念はあるが、順調の強みに上昇度の大きさが加わる。コディーノはやっと1600m中心に進む展望を掲げるが、これが正解だろう。

 切れに勝るサトノギャラントがその次。ショウナンマイティ、ダノンシャークはオッズと相談の相手にとどめたい。

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1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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