東京は今春の5〜6月に2開催使用されただけ。芝の成育うんぬんは別に、好時計が飛び出しそうだ。春のAコースのマイルでは、安田記念の1分32秒1を筆頭に、1分32秒台の好時計が計「5レース」もあったが、ことごとくのレースが、前半の半マイルは46秒台の前半で、後半も46秒台をキープ。先行馬が崩れたハイペースの展開はひとつもなく、ラップとするとするとすべて平均ペースだった。
そのため、その5レースの連対馬10頭の決まり手は「逃げ…0、先行…6、差し…4、追い込み…0」となって、逃げ切るのも確かに難しいが、後半が46.5−34秒台後半では止まってしまうため、直線一気の追い込み型は、まったく台頭できなかった点に注目したい。
ここは多頭数で流れが速くなる危険もあるが、ふつうは平均ペースだろう好位で流れに乗れる馬を軸に考えたい。
10ヶ月ぶりの6歳馬だが、この秋、体質の弱い馬とすれば珍しくビシビシ追って仕上げてきた関西馬のトウショウラッシュを狙う手がある。最近こそ1200〜1400mに出走することが多いが、マイルで2勝しているようにもともとがスプリンターではない。母サマンサトウショウはマイラーとして7勝、1800mのエプソムC(東京)も勝っている。
まして6歳秋、多少ともズブくなって不思議はなく、距離は大丈夫だろう。ベルボクサー、マイティスピードなどの行く流れの3〜4番手からしぶとく抜け出してくるとみた。
穴馬として怖いのは、マイルで4勝しているショウナンマインド(父トニービン)。折り合いの難しい馬だが、うまく内にもぐり込めるようだとスパッと抜ける脚がある。例年のパターン通りだが、東京に移って怖いのは、案外楽に行ける先行タイプだ。