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クラシック戦線で健闘中のネオユニヴァース産駒

  • 2014年02月14日(金) 12時00分


◆今週の3歳重賞はネオユニヴァース産駒に注目

 意外と言っては失礼だが、ネオユニヴァース産駒がクラシック戦線で健闘している。

 ミルコ・デムーロ騎手を背に、ネオユニヴァースが皐月賞、日本ダービーの二冠を制したのは2003年の春。道悪をものともせず、力強く抜け出した日本ダービーは、サンデーサイレンス産駒らしからぬ力強さがあった。とても印象に残っている。

 初年度産駒がクラシック戦線に登場したのは、5年前の2009年のこと。アンライバルドが皐月賞を、ロジユニヴァースが日本ダービーを制し、父子2代のクラシック制覇をいきなり2頭が成し遂げる華々しさだった。

 2世代目のヴィクトワールピサも、2年連続の皐月賞父子制覇。さらに翌年にはドバイワールドCを勝ち、日本遠征史に残る快挙を成し遂げた。この相次ぐ偉業に、サンデーサイレンス亡き後の日本競馬を支えるのは、ネオユニヴァースだと思ったものである。

 ところが、その後がさっぱり。クラシックで3着以内に入った産駒は1頭もなく、GI全般を見渡しても、ゴールスキーのマイルチャンピオンシップ3着が最高着順。このゴールスキーにしても2世代目で、以後の3世代目、4世代目、5世代目でGI3着以内に入った産駒は、現時点で皆無なのである。

 しかし2011年生まれの6世代目は、フォーエバーモアが阪神ジュベナイルフィリーズで、勝ち馬レッドリヴェールにクビ差の3着に入った。明けて1月のフェアリーSも、オメガハートロックが勝利。またピオネロは京成杯を4着、イタリアンネオも若竹賞を勝って、弥生賞に照準を合わせている。

 ディープインパクトのような派手さはないが、今年のネオユニヴァースは様子がちょっと違う。今週、そのフォーエバーモアはクイーンCに、ピオネロは共同通信杯に登録している。寒波と積雪の影響で、このところ馬場が荒れ気味。ネオユニヴァース産駒はパワーを要する馬場が得意なだけに、決してマイナス材料にはならないだろう。

 現3歳世代の勢いが単なる一時的な現象なのか、はたまた初期の勢いを取り戻しつつあることの証しなのか。今週のクイーンCと共同通信杯は、それを見定める重要なレースになりそうだ。

血統評論家。月刊誌、週刊誌の記者を経てフリーに。著書「競馬の血統学〜サラブレッドの進化と限界」で1998年JRA馬事文化賞を受賞。「最強の血統学」、「競馬の血統学2〜母のちから」、「サラブレッド血統事典」など著書多数。

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