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フェブラリーSを血統から読み解く

  • 2014年02月21日(金) 12時00分


◆キングカメハメハ二騎が人気だが、他にも要注意種牡馬が

 過去2年、東京ダートのマイルで強かった種牡馬を調べてみると、1位ゴールドアリュール、2位シンボリクリスエス、3位エンパイアメーカー、4位キングカメハメハというデータが出た。

 昨年まで、キングカメハメハはダート部門で3年連続の日本リーディングサイヤー。今年も首位を走っており、向かうところ敵なしのイメージだが、東京ダートのマイルはそれほどでもない。

 ただし、産駒に大物がいれば数値はハネ上がるし、不在になっても数値だけは残り続ける。データに反映されないこの半年、1年の血の勢いを加味すれば、やはり今週のフェブラリーSはキングカメハメハから選ぶのがベターのように思う。

 キングカメハメハ産駒は芝で実績を出していた馬が伸び悩み、気分一新、ダートに転じて飛躍するパターンが目立つ。ベルシャザールも昨年、ブラジルC、武蔵野S、ジャパンCダートをホップ、ステップ、ジャンプと3連勝し、いきなりダートの頂点に立った。

 曾祖母は米古牝馬チャンピオン。ダートと力のいる芝に強かった名牝で、父と母系の長所が絶妙にマッチしている。芝は決め手不足だったが、日本ダービー3着の実績の持ち主だ。ダートならまだまだ飛躍が見込める。

 むろん、他の実績上位の馬も軽視はできない。ネオユニヴァース産駒のゴールスキーは、半兄に先に書いた1位のゴールドアリュールがいる。芝のマイルCS3着馬で、出世パターンもベルシャザールと酷似するのが不気味だ。

 ネオユニヴァースは道悪の日本ダービーを勝ったように、本質はパワータイプ。産駒も冬場の荒れた馬場、道悪を得意としており、2月に入って降雪続きのなか、3週間で3頭が芝のJRA重賞をまとめ勝ちした。この資質はダートでも生きている。

 2位のシンボリクリスエス産駒にも注意しておく必要がある。ソロルは近親にゴールドアリュール、ゴールスキーがいて、みごとなまでに「ダートは鬼」の配合になっている。実績は見劣るが、まだ4歳馬で伸びしろが見込める。大駆けがあっても不思議はない。

血統評論家。月刊誌、週刊誌の記者を経てフリーに。著書「競馬の血統学〜サラブレッドの進化と限界」で1998年JRA馬事文化賞を受賞。「最強の血統学」、「競馬の血統学2〜母のちから」、「サラブレッド血統事典」など著書多数。

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