スマートフォン版へ

太論宛に続々と届く「今年は何かが違う!」の声。その疑問に太が答えます

  • 2014年03月11日(火) 18時00分
小牧太

太論宛に続々と届く「今年は何かが違う!」の声。その疑問に太は…


「今年の小牧さんは何かが違う!」というファンの声が、太論宛に続々と届いています。今回は、そんなユーザーからの「昨年とは身体面、精神面の何が違うのですか!?」といった質問や、2月の話題を独占したソチ五輪についての感想など、盛りだくさんの内容でお届けします!
(取材・文/不破由妃子)


■なんにせよ気持ちが肝心やね!

──複数のユーザーの方から、「今年の小牧さんは何かが違う!」というコメントが届いています。そんななかで、「精神面、体力面など、昨年とは何が違うのでしょうか?」という質問もありますが。

小牧 どうしたんやろうね(笑)。何度も言うけど、やっぱり去年、馬が全然回ってこうへんなって、それが勉強になっているところもあるんやけど、それにしてもわからんもんやね。どないなってんねん(笑)。

──頭数もそろっていますが、人気馬への騎乗が増えましたよね。

小牧 そうやねん。このままずっとケガをせんといけたら、いい1年になると思うんやけどね。去年との違いといえば、まずは気持ちやね。一昨年の秋に、久々に骨折をしたでしょう。あれ以降、“無事に乗っていられたらいい”っていうような気持ちになってしまっていたから。

──確かに、“楽しく乗れればそれでいい”っておっしゃっていた時期が長かったような気がします。

小牧 そうやろ? 頭数にしても、ようけ乗りたくないとか言ってた時期もあったし。それこそ、去年の暮れあたりは、辞めたら何しようかなとか考えてたもんね。でも、それじゃダメやねんな。だから今年は、体力だけ付けて、あとは何も言わずに頑張ってるんやけどね。

──答えとしては、精神面が違うということですね。

小牧 そうやね。娘がバレットをしてるやろ? 頭数が少ないときは暇そうにしていて、「もうちょっと乗ったら」とか言われたりしてね(笑)。気持ちひとつやね。

──続いては、少々時間は経ってしまいましたが、「同じアスリートとして、ソチ五輪で印象に残ったシーンは?」という質問がきています。

小牧 ああ、真央ちゃんが初日(ショートプログラム)に失敗したでしょう。終わったあと、自分で何が起こったのかわからんと、茫然としてたやん。あのときの表情を見て、ちょっと世界が違うなぁと思ったわ。批判をするつもりはないけど、周りがもっとサポートせなあかんのちゃうのって思ったわ。肝心の真央ちゃんが、まったく楽しくなさそうで。次の日はすごくいい顔をしていたけどね。でも、初日の表情を見て、ちょっとこれは…と、何か違和感を感じたわ。追い詰められすぎやわ。

──それこそ、気持ちの問題でしょうね。

小牧 そうやね。スポーツ選手として、技術以前のもんですやん。マスコミも持ち上げすぎやね。ジャンプの沙羅ちゃんも、始まる前から金メダル金メダル言われて、もう完全に委縮してしまってたやん。4位という結果にも、泣くにも泣けんとね。あの子は試合する前から、大丈夫かな?って心配になるほど、委縮してしまっているのを感じたわ。まぁそれがオリンピックなのかなとも思うけど。

──表情からメンタル面に違和感を感じるあたり、同じスポーツ選手ならではの感覚かもしれませんね。

小牧 うん、真央ちゃんと沙羅ちゃんの表情を見て、なんかちょっと違うなと。完全にこわばってたからね。まぁ、お金を稼いでるプロとアマの差なのかもしれんけどね。その点、ジャンプの葛西選手は、本番でも自分の力を出し切ってね。あの強さがあるから、ここまで現役を続けていられるんだろうなと思った。しかし、彼は7度目のオリンピックやろ? すごいわぁ。団体で銅メダルを獲ったときは、泣かん言うとったのに泣いとったね。さんざん苦労してきたみたいやからねぇ。まさに“レジェンド葛西”やね。僕も“レジェンド小牧”って言ってもらえるように頑張るわ(笑)。

小牧太

僕も“レジェンド小牧”って言ってもらえるように頑張るわ(笑)



──期待してます(笑)! 最後はナイスミーチューについて、「僕はナイスミーチューのファンです。アルデバランSは7着に終わりましたが、競走馬として気持ちが途切れてしまったのでしょうか?」という質問がきています。今度は“競走馬の気持ち”についてですが。

小牧 いや、それはないと思うけど。まぁ確かにアルデバランSは全然ダメやったね。時計が速いのは無理やね。ついていかん。でもね、あのレースは、かえって僕がついて行きすぎたのもある。3〜4コーナーでちょっと詰まってね。で、僕の横で西村くんが落ちたから、直線は「騎乗停止かもしれん…」って思いながら追ってましたわ。

──ナイスミーチューは条件が揃えば強いですけど、なかなかその条件が揃いませんね。

小牧 ん〜、なんかあの馬、ズブくなってる。今日も乗ってきましたけど、とにかくうるさい(笑)。前からなんやけど、前に馬がいないとカリカリしてね。なんでこんなにイライラしてるんやろうと思って、今日は僕まで腹が立ってきたわ(笑)。かと思えば、イライラしているわりには、馬っ気を出してみたり。なんかちょっと変わってるね(笑)。

──次はダイオライト記念に出走するそうですね。

小牧 はい。状態自体は、どうもないんですよ。今度はもうちょっと気楽に乗ってみますわ。ちょっと僕自身、あの馬に関しては気負って乗ってるところがあるから。勝たなアカンと思ってるから余計にね。だから、あえてもう少し気楽に、じっくりと乗っていったら、また結果を出せると思うよ。

【次回の太論は?】
ダイエットに取り組んでいるはずの小牧騎手が、なんと57キロに!? 恒例となった体重についての話題から、原田敬伍騎手の度重なる体重調整の失敗について、さらにこれから変えていこうと思っている自身の騎乗法についてなど、多角度から太論を展開します。
質問募集
太論 / 小牧太
このコラムでは、ユーザーからの質問を募集しております。あなたから
コラムニストへの「ぜひ聞きたい!」という質問をお待ちしております。
質問フォームへ

このコラムをお気に入り登録する

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

1967年9月7日、鹿児島県生まれ。1985年に公営・園田競馬でデビュー。名伯楽・曾和直榮調教師の元で腕を磨き、10度の兵庫リーディングと2度の全国リーディングを獲得。2004年にJRAに移籍。2008年には桜花賞をレジネッタで制し悲願のGI制覇を遂げた。その後もローズキングダムとのコンビで朝日杯FSを制するなど、今や大舞台には欠かせないジョッキーとして活躍中。

バックナンバー

新着コラム

アクセスランキング

注目数ランキング