5歳の今年、夏からカムバックした東のゴッドオブチャンスは7、5、9着。新潟1400mのNSTオープンで前半33.7−45.1−56.3秒(1000m通過)の行きっぷりを示したから、決してスピード能力にかげりをみせているわけではないが、どうも粘り腰を欠いている。
しかし、使いつつ4戦目。今度は例の坂路追い切りで、2本目に36.0−11.9秒が出た。本来の気迫にあふれた行きっぷりと、追っても猛然と伸びる豪快なストライドが戻っている。今度は完調とみた。距離の1400mはここまで[3-0-2-2]着だが、18着は昨年のこのスワンSで、休み明けでとても好調時の動きではなかった。7着はやっぱり休み明けだった3走前のNSTオープン。
デキさえ良ければ、この1400mで凡走したことはなく、G2京王杯SC(東京)を1分20秒3で力強く抜け出したレースを筆頭に、「1分20秒台」の記録が合計6回。つまり、9ヶ月ぶりだった昨年のスワンS以外は、すべて1分20秒台で乗り切っているのである。
凡走続きと、58キロが嫌われて今回はあまり人気はないが、そう強力な同型馬はなく、3歳ギャラントアロー、同じく3歳牝馬モンパルナスあたりなら、強引に行って自分の形に持ち込むことも可能だ。
1分20秒3で押し切ったG2京王杯SCと違い、今度は直線が平坦の京都。まず失速はないと考えたい。コジーン(その父カロ)の父系は、実はタフなスピード系で売りは成長力。早熟のスプリンターではない。
牝馬のエイシンバーリン(父コジーン)が1200m1分6秒9の当時の日本レコードを記録したのも、牝馬ながら5歳になってから。アドマイヤコジーンがG1安田記念を制したのは6歳時のこと。まだ5歳でキャリア21戦だけ。ゴッドオブチャンスの巻き返しがある。
東京の武蔵野Sダート1600mは、この距離でこそのビワシンセイキが狙い。1800〜2000mのG1は2、2、2着だが、本質はマイラーだろう。