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桜の季節の競馬場

  • 2014年04月25日(金) 18時00分


◆満開の桜に囲まれる笠松競馬場の美しさ

 4月22日に笠松競馬場を訪れた。とある騎手のインタビュー取材もあり、せっかくだからオグリキャップ記念に合わせてということで、この日になった。

 この4月後半のオグリキャップ記念の開催に来て、ちょっと残念に思うのが、「ああ、やっぱり桜は散ってしまったなあ」ということ。すでに葉桜は緑が鮮やかだった。

 笠松競馬場は、木曽川の堤防に挟まれ、桜の季節には競馬場の半周以上が満開の桜で囲まれる形になる。そのコースを馬が走る光景はまことに美しい。

 桜といえば、北上川の河川敷にある水沢競馬場も向正面には桜並木があり、まさに岩手県地方は今が満開(すでに散り始めているかもしれない)の時期で、この週末、4月26日(土)、27日(日)には、その桜並木の一般開放が行われる。体験乗馬や、炭火での焼き肉販売、水沢競馬場名物のホルモン販売などのイベントが開催され、競馬ファンのみならずとも人気の花見スポットとなっている。今年は「岩手競馬50周年記念」として、「水沢競馬場“桜”フォトコンテスト」も実施される。

 それで思ったのだが、ほとんど手の届くようなところに桜並木のある笠松競馬場でも、桜の開花に合わせてこうしたイベントをやってはどうだろう。地元ファンならもちろんこの木曽川堤の絢爛豪華な桜並木をよくご存知のことと思うが、地元以外の地方競馬ファンには、この笠松競馬場の桜は意外と知られていないのではないか。

笠松競馬場の桜

笠松競馬場の桜(2006年4月撮影)


 理由のひとつには、桜が満開となる4月上旬の開催に、全国のファンが注目するような大レースやイベントが行われていないからということはあるかもしれない。この開催のメインとなる3歳重賞のレース名は「新緑賞」だ。とはいえレース名を見ると、「淡墨桜特別」「八重桜賞」「臥龍桜特別」「吉野桜特別」「奈良津桜賞」と、ちゃんと桜をレース名につけている。

 桜が咲くのも、桜を見るのも、予算はかからない。せっかく競馬場を取り囲むように咲いてくれる桜だ。ならば笠松競馬場でも4月上旬の開催は、水沢競馬場のようにもっと桜で盛り上げたらどうだろう。

 いっそのこと、全国交流で賞金も高く、何より競馬ファン以外にも知られているオグリキャップの名を冠したレースを、この桜の時期に移してはどうか。オグリキャップ記念は、以前は4月29日の祝日に行われることが多く、たくさんのファンの来場が期待できた。しかしここ3年は大型連休に入る前の平日開催となっている。おそらく場間場外の相互発売や、ネット発売の日程調整の都合などで押し出されてしまったのだろう。

 桜の季節にオグリキャップ。絵になるではないか。

1964年生まれ。グリーンチャンネル『地・中・海ケイバモード』解説。NAR公式サイト『ウェブハロン』、『優駿』、『週刊競馬ブック』等で記事を執筆。ドバイ、ブリーダーズC、シンガポール、香港などの国際レースにも毎年足を運ぶ。

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