スマートフォン版へ

東京芝2400mの普通の傾向

  • 2014年05月23日(金) 18時00分


◆リーディング上位の血統馬の力が素直に反映される

 GIが続く東京芝2400mの傾向をおさらいしましょう。(データはディープインパクト産駒が出走するようになった2011年4月から)

 まずは種牡馬別成績。ディープインパクト産駒がダントツの16勝。勝ち馬の20%を占めます。単勝回収率も120%と大幅プラス。基礎期待値、的中率の低い人気ランクE(*)を除くと単勝回収率130%。複勝率的中率39%。回収率99%。

 ディープと同じく優秀なのがゼンノロブロイとハーツクライ。ゼンノロブロイは単勝回収率220%。複勝回収率163%。勝率23%。複勝率43%。出走数がディープの半数とはいえ、ディープと同等以上の成績を収めています。ハーツクライも負けず劣らず優秀で単勝回収率は120%。複勝的中率も40%(いずれも人気ランクEを除く)

 ようするに東京芝2400mは、リーディング上位の血統馬の力が素直に反映されやすいため、上位種牡馬を順番に買うだけでもプラス収支になるのです。日本の血統は、東京芝2400mに強い馬を作る歴史でもあるので当然ですが。

 また、内寄りの枠が有利なのも当コースの特徴。1-5番ゲートの馬は4年連続で単勝、複勝回収率がプラス(人気ランクE除く)2011年が単勝214%、複勝131%。12年が173%、107%。13年は169%、109%。そして今年も124%、111%。ここ1,2年で東京の芝は路盤の質が変わった(柔らかく作られるようになった)はずですが、内有利の傾向も種牡馬の傾向も変わらないようです。「ダービーは運の強い馬が勝つ」とは古くから言われていますが、今の東京芝2400mは内を引いた馬は幸運度がアップします。

 ということで、東京芝2400mは、いわゆるオーソドックスな選び方。結果的に選ばれた馬の配当妙味が出ているレースを「選ぶ」ことがポイントです。

 ただし、今年のオークスに当てはめてみると、馬券的妙味は薄いかもしれません。

 ハープスターはディープインパクト。ヌーヴォレコルトはハーツクライ。サングレアルはゼンノロブロイ。上位人気が予想される馬が、当コースの注目血統に該当してしまいます。

 馬自身の縦の比較(戦歴分析)からは、前走から上積みが見込めそうなのはマイネオーラムだとは思うんですが、このレース自体の馬券妙味が問題です。馬券は他のレースで何とかしたいところ。

 なんて、書いていると「レースを選べば当たるのか」とツッコミたい方もいることでしょう。

 たしかに、そんなに当たらないんですが、少しはマシになります。一応、先週の日曜は、レースを選んで公開してるホームページの予想は、本命馬が4戦2勝。複勝回収率も288%でした(葵Sでリアルヴィーナスが単勝17.8倍で勝利。東京8レースは先週のNHKマイルCの教訓を生かして本命にしたマンインザムーンが勝利)

 あ、日曜だけ取り上げると、「日曜が良かっただけだろう」と思う人もいるかもしれませんが、今年の本命馬は単勝回収率126%。複勝回収率114%。的中率34%です。ちなみにこの数字は5年間ほぼ同じです(なので先週の日曜は普段より、ちょっと良かったので取り上げたことになってしまいます(笑))

 それにしても、競馬の質も、自身も含む馬券に参加する他プレイヤーの質も変わっているのに、5年以上成績がほぼ変わらないのはなぜでしょう? このテーマは「競馬に法則性は存在するか?」にもつながると思うので、機会があれば取り上げます。

 なお、最近の東京芝は母父サンデーサイレンス。なかでも父キングカメハメハ、チチカステナンゴ、シンボリクリスエスの配合馬が好調です。高速上がりを出せる馬の中では米国的な持続寄りのタイプがベターな馬場です。

(*)
人気ランクについては亀谷ホームページを参照

このコラムをお気に入り登録する

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

血統馬券予想理論『血統ビーム』の提唱者で、『ブラッドバイアス』『大系統』『小系統』などの血統予想用語、概念の作者。血統ビームの革新性は20世紀末の競馬予想界に衝撃を与え、現在は競馬ファン、競馬評論家に多大な影響を与え続けている。また『競馬予想TV!』『競馬血統研究所』(ともにCS放送フジテレビONE)に出演するなど活躍中。Twitterはコチラ。
ウマい馬券にて『血統ビーム』の予想提供中

バックナンバー

新着コラム

アクセスランキング

注目数ランキング