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【2冠をめぐる物語 第二章】“裸足のシンデレラ”の真実〜イソノルーブル Part1

  • 2014年05月23日(金) 22時00分
オークス
1991年の春クラシック牝馬路線、桜花賞を確実視されながら敗戦したイソノルーブル。一敗地に塗れながらも見事に立ち直り、距離不安のオークスを勝った彼女のドラマに迫った。
文=谷川善弘


◆5連勝、1番人気で挑んだ桜花賞で敗戦の憂き目に

 伸びない。粘れない。ゴールが遠い。第51回桜花賞の直線で、1番人気イソノルーブルが苦しげに喘ぐ。誰も予想しなかった姿だ。

 ここまで5戦5勝と、イソノルーブルは快進撃を続けていた。最大の武器は類稀なるスピードだ。芝1000mの新馬戦ではレコードタイムを叩き出し、続くダート戦も快足を生かして後続を3馬身半突き放す逃げ切りだった。初の重賞挑戦となったラジオたんぱ杯3歳牝馬Sは、激戦の2着争いをやはり3馬身半後ろに従えながらのゴール。明けて4歳となっても勢いは止まらず、エルフィンSを逃げ切り、桜花賞トライアルの報知杯4歳牝馬特別ではまたも3馬身半差で2つめの重賞タイトルを手にしている。

 順調に思えた。つつかれても絡まれても飛ばし、最後は喧嘩を売ってきた側が息切れを起こすほどイソノルーブルのスピードは傑出していた。その能力を持ってすれば、第一冠を制し、桜の女王の座に就くことはそう難しいことではないはずだった。

 けれど桜花賞での失速を呼ぶ不安の種は早くから蒔かれており、連勝の陰で芽吹いて育ち、実になろうとしていた。

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