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東京スポーツ杯2歳S

  • 2003年11月21日(金) 11時33分
 2歳のこの時期の東京1800mは、当然、そう速いペースにはならない。したがって、勝ち時計は必ずしも能力の目安にならないことも多いが、1分48秒台で乗り切ると将来性に注目していい。これまで、97年のキングヘイローが1分48秒0。01年のアドマイヤマックスが1分48秒2で乗り切っている。

 それを考えると、2週前、百日草特別1800mを1分47秒9で独走した公営のコスモバルク(父ザグレブ)はすごい。かかり気味にハナを切り、最後11.2−11.5秒でまとめている。人気のハイアーゲーム(父SS)が遊ばれてしまった。コスモバルクは北海道から直前に遠征し、初芝、初の左回りだった。

 公営所属にとどまり中央に挑戦の予定というが、地方にA級馬がいると、いまのG1はすべて全日本規模だから、中央のチャンピオンよりもっとファンの期待は大きくなる。

 はっきり全体のレベル上位の関西馬が3頭も出走してきたから、素直に狙えばキョウワスプレンダか、アドマイヤビッグだが、ここは関東馬にも注目の成長株がいる。

 マイネルデュプレはペンタイア(その父ビーマイゲスト)の産駒。ペンタイア産駒ではマイネルアムンゼン(4歳)が光る程度で、どうも期待ほどは活躍していないが、この2歳馬は、まずクズを出さないオカノブルーの牝系に、母の父になるトニービンの良さが前面に出ている気がする。東京の1600m、1800mと経験の強みは大きく、最初の評価は低かったが、2戦目、さらにこの中間と大幅に変わってきている。スローの前回、上がり34.5−11.5秒(推定)でまとめて、1分49秒9。あの内容なら、楽に1分48秒台は可能だろう。

 もう一頭、エプソムアルテマも好素材。まだ全身を使うストライドではないが、それでも十分に柔軟。前走も上がり34秒1で一直線に伸びた。追って味がある。そろそろ関東馬にも注目の成長株が出現しないと、来季のクラシックがまた少し味気なくなってしまう。

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1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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