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攻めどおりならデビュー勝ち濃厚の今週阪神開催の目玉(吉田竜作)

  • 2014年06月10日(火) 18時00分


◆最後の世代でチチカステナンゴの大物が…という可能性は十分考えられる

 先週の開催からいよいよ14−15シーズンのクラシックロードが開幕した。その第一号(土曜阪神芝1600メートル)を飾ったのはPOGでも敬遠され気味(?)だったチチカステナンゴ産駒のケツァルテナンゴだった。実を言うと、レースの週の水曜日には笹田調教師に「多分、1番人気になると思いますよ」と切り出したのだが、「牡馬なのに牝馬のようにカリカリしたところもあって、とても1番人気なんて。馬がかわいそう」とはぐらかされていた。ただ、実際にふたを開けてみると、確かにパドックや馬場入りの仕草を見ても1頭だけ若さ全開と言った感じ。さすが笹田師と思ってその眼力に恐れ入っていたのだが、もっと恐れ入ったのがこの馬の末脚。道中も頭を上げたりしていたが、直線は1頭だけ回転数の違うフットワークできっちり差し切ってしまったのだ。タイムや相手関係から大きなことは言えないにしても、最後の世代でチチカステナンゴの大物が…という可能性は十分考えられる。

 今週の阪神開催の目玉は芝1400メートル戦でデビューするコンフェッシオンか。入厩当初は輸送疲れなどもあってか体調が上向いてこなかったが、ここにきてグッと良化してきた。中間の攻めでは古馬をあおるような動きを披露。「うちの厩舎は少し遅めの、力のいる時間帯に追い切るからね。そこでこの時期に古馬相手に先着するというのはなかなかのこと」と中竹調教師も大きな期待を寄せている。攻めどおりならデビュー勝ち濃厚だろう。

 安田厩舎は2頭を東京へと送り込む。1頭は芝1800メートル戦を予定しているディープフォルツァ。坂路での動きはもうひとつだったが、Wコース入れると一変。格上馬相手に先着してみせた。「ディープの子らしいというのか、坂路が苦手なようです。それでも少しずつ時計は詰めていたし、コースではいい動きをしてくれました。学習能力が高くて教えたことをすぐに覚えてしまう、頭のいい馬ですよ」と安田調教師もセンスのよさを絶賛。いきなりの9ハロン戦というのにも「併せてもムキにならないし折り合いがつく。いかにも芝が合いそうという走りなので」と不安はない様子。攻め量も十分で、こちらも初戦から好勝負必至と見て間違いなさそう。前日の芝1400メートル戦には坂路でディープを圧倒してきたゼンノイザナギがエントリー予定。「パワーはあるが、切れ味がどうでしょうか。ここでいいところを見せてくれるといいのですが」と、景気のいい坂路タイムとは一転して、慎重な構え。将来的にはダート向きと見ているのかもしれない。

 松田博厩舎にはダービー4着のタガノグランパと入れ替わるようにしてタガノレジェンドが入厩してきた。松田博調教師が宇治田原優駿ステーブルを視察した際に「こんなにおとなしいウォーエンブレムの子がいるのかというくらいおとなしい」と評していたが、入厩初日の坂路の行きっぷりはなかなかのもの。「柔らかいし、なかなかいい走りをする」とトレーナーも上々の評価をしていた。入厩予定のワールドリースター(やはり山口厩務員が担当するそうです)ともども、同厩舎の最後のクラシックシーズンを盛り上げてくれるのではないか。

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