ジャパンCダートが東京2100mで行われるのは今年がまだ3回目。最初はウイングアローが2分7秒2。2回目はウイングアローがほぼ同じ時計で乗り切ったが、これを引きちぎったクロフネは2分5秒9のレコードだった。
今、ほんの少しだけ直線の長さが変わり、現在の東京2100mのレコードは、16シロキタゴッドランの2分10秒1となっているが、これはあくまで今現在のこと。実は、東京ダート2100mにOPの、それもAランクの馬が出走するレースはめったにない。
だから、普通2分10秒前後で決着したりしているが、このG1戦になると、おそらく今年も2分7秒台か、どんなに悪くても8秒台だろう。
厳しい流れの2100mを乗り切るスタミナがあり、かつ時計の速いダートにも適応できないと苦しい。昨年、01年世界のG1級を自負してきたアメリカのリドパレス(時計の速い米ダート1800mで再三1分47秒台)など、まるでレースにならずに失速、クロフネに子供扱いされ、陣営は無言で引き上げていった。並みのOP馬では2分7秒前後は記録できない。
9ハギノハイグレイドはその年、2分8秒3で10着どまり。当時は手も足も出なかったが、本格化はあのあと。1800mを1分48秒7で勝ち、中京2300mをレコードで快勝。あのジャパンCダートのあと、ダート2000m以上は[1-4-0-0]。まず崩れない。クロフネを育てた松田国師は、この馬に実にハードなトレーニングを課し、5歳時より現在の方がずっと強くなっている。前走、初の1600mでも差を詰めた。いまなら2分7秒そこそこも可能だろう。ハイペースも大歓迎だ。底力が生きてくる。
母方の3代前にパゴパゴ(フェアーウェー系)という種牡馬の血が入るのは、クロフネ、ダンシングブレーヴと同じ。ひょっとすると、タフなスピード型を送る迫力のダート巧者にはノーザンダンサー系種牡馬×パゴパゴのニックスが成立するかもしれない。