ずっとハンデ戦で行われてきたこの重賞は6年前の97年から別定重量となった。数少ない長距離重賞がG2にランクアップしたが、逆にハンデ戦はなくなったため、出走数が減ってしまった。長距離戦のG2ランクの方が大切な気もするが、かえってハンデ戦当時の方が中身が濃かった気もする。
今年はOP馬6頭に、条件馬4頭。ステイヤータイプが少ないだけに、ハンデ戦の方が好カードになるかもしれない。
ナチュラルナインはまだ3歳で、芝もまだここが6戦目。前走のアルゼンチン共和国杯は、いかに札幌の2600mで連勝してきた上がり馬といっても相手が相手だから、そうそう信用できないとみていたが、1番人気にこたえて小差の2着。キチッと答えを出した。初めての東京コース、事実上、はじめてのオープン馬相手だっただけに2分32秒0の好時計以上に勝ちがある。中身も濃い。
再三乗り替わっているが、今回は主戦の石崎騎手。中間、さらにパワーアップした動きを見せているだけに、フルに能力・素質発揮だろう。当面の相手で、また実績で上回るイングランディーレをマークしながら進める展開の利もある。折り合いの不安もない。
母の父こそミスタープロスペクターだが、その前はグリーンダンサー、ルファビリュー、日本にきたジルドル(その父ロイヤルチャージャー)…。牝系にはずっと中〜長距離型が配されている。父系はもちろん父子2代の有馬記念馬。トウカイテイオー産駒は、決して平均点が高いわけではないが、もうそろそろ父子3代の長距離G1(有馬記念、JCなど)を狙える産駒が出てもいいだろう。まだ3歳、もっと強くなるはずのナチュラルナインにはそういう期待もある。前走かかって失速のメジロランバートも、まだ見放せない。