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ステイヤーズS

  • 2003年12月05日(金) 11時29分
 ずっとハンデ戦で行われてきたこの重賞は6年前の97年から別定重量となった。数少ない長距離重賞がG2にランクアップしたが、逆にハンデ戦はなくなったため、出走数が減ってしまった。長距離戦のG2ランクの方が大切な気もするが、かえってハンデ戦当時の方が中身が濃かった気もする。

 今年はOP馬6頭に、条件馬4頭。ステイヤータイプが少ないだけに、ハンデ戦の方が好カードになるかもしれない。

 ナチュラルナインはまだ3歳で、芝もまだここが6戦目。前走のアルゼンチン共和国杯は、いかに札幌の2600mで連勝してきた上がり馬といっても相手が相手だから、そうそう信用できないとみていたが、1番人気にこたえて小差の2着。キチッと答えを出した。初めての東京コース、事実上、はじめてのオープン馬相手だっただけに2分32秒0の好時計以上に勝ちがある。中身も濃い。

 再三乗り替わっているが、今回は主戦の石崎騎手。中間、さらにパワーアップした動きを見せているだけに、フルに能力・素質発揮だろう。当面の相手で、また実績で上回るイングランディーレをマークしながら進める展開の利もある。折り合いの不安もない。

 母の父こそミスタープロスペクターだが、その前はグリーンダンサー、ルファビリュー、日本にきたジルドル(その父ロイヤルチャージャー)…。牝系にはずっと中〜長距離型が配されている。父系はもちろん父子2代の有馬記念馬。トウカイテイオー産駒は、決して平均点が高いわけではないが、もうそろそろ父子3代の長距離G1(有馬記念、JCなど)を狙える産駒が出てもいいだろう。まだ3歳、もっと強くなるはずのナチュラルナインにはそういう期待もある。前走かかって失速のメジロランバートも、まだ見放せない。

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1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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