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阪神ジュベナイルF

  • 2003年12月08日(月) 13時05分
 強力な先行のスピード型が不在の18頭。前半48.2=後半47.7秒のラップで1分35秒9の走破時計にとどまったため、各馬ともに余力のあった直線は大混戦にもつれ込んだ。

 35.8−48.2−60.7秒のスローで単騎逃げに持ち込めたヤマニンアルシオンは、まだ1戦だけのキャリアを考えれば、これはもう立派な2着だが、なにせ未勝利戦なみのスローペースだから、そのレースセンスは認めると同時に、評価はこの次のレースに持ち込まれることになる。あくまで記録上のことだが、60.7秒のペースで行って上がり35.2秒はちょっと平凡。かなり恵まれた。

 1分35秒9の勝ち時計は、良馬場としては最近10年間でもっとも遅く、同じ日の古馬1000万特別が1600m1分34秒4。また前日の2歳馬の千両賞1400mが1分21秒8だったことを考えると、信じがたく遅い。まだキャリアの浅い2歳牝馬のこと、今回の時計だけでレベルうんぬんはかわいそうだが、少なくとも現2歳牝馬は、1分34秒6〜7で快走したメジロドーベル、テイエムオーシャン、ピースオブワールド、ヤマニンパラダイスなどとは同ランクではなく、レベルは高くはない。

 人気のスイープトウショウは差し一手のつらさ。スローのため、直線に入って内のマチカネエンジイロ、外ヤマニンシュクルに挟まれてしまった。それで寸前に猛然と伸びて、0.2秒差5着だから、切れ断然は認めたいが、この形では前が引っ張ってくれて、バラけないと苦しい。今後も過信はできない。

 ヤマニンシュクルは大外を回って[61.4−34.5秒]のラップで1分35秒9。さすがは牡馬相手の札幌2歳Sの3着馬だが、この時計では特に抜けていない。名牝系にトウカイテイオー。成長力はありそうだ。

 今年の2歳牝馬は、タムロチェリーの01年や、97年のアインブライドの年と同じで、今後勢力図は激変しつつ・・・になりそうだ。

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1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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