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朝日杯フューチュリティS

  • 2003年12月15日(月) 11時01分
 外枠15番を引いてしまったメイショウボーラーの逃げは、34.1-45.8-57.5秒。快速の4連勝馬としては決して無理なペースではなく、前後半の半マイルずつにすると、[45.8-47.9秒]。少し速い程度だが、外枠だったため、ハナを切るまでに2ハロン目に10.7秒。このところはちょっとかわいそうだったが、1分33秒7で乗り切り、最後の1ハロンも12.2秒。バテているわけではない。ほぼ力は出し切れただろう。

 誉めるべきは当然これをゴール寸前で差し切り、1分33秒7で乗り切ったコスモサンビーム。小倉2歳Sではメイショウボーラーに5馬身も離されたが、佐々木晶三師も驚嘆の成長力で、大幅にパワーアップしていた。

 今回の首差は枠順の差もあり、中身で上回ったともいえないが、ゴール前はアポインテッドデイと、フサイチホクトセイの間を割って伸びている。あきらめずに追うのが身上とされるバルジュー騎手の叱咤に見事に応え切った。ビシビシ追って体が減ることもなく、すばらしい充実をみせていた。父ザグレブ(その父シアトリカル)は、もう、不振で再輸出されたことは知れ渡っているが、愛ダービー馬。母の父はレインボウクエスト。連勝中ではないが、1400m以上は2、1、1、1着。もっと距離延びてさらに良く、文句なしのクラシック候補誕生だろう。展望は大きく広がった。

 メイショウボーラーは、今回の折り合いから2000mまでは大丈夫だろうが、ベストは1400〜1600mがはっきりした。アポインテッドデイは最高に内枠を利して乗ったが、0.1秒差以上に1〜2着馬とは差がある。4着フォーカルポイントは、2角すぎではさまれて下がったのが痛かった。上がり34.9秒は光り、これもはっきりマイルならAクラスだろう。

 メテオバースト、グレイトジャーニー、キョウワスプレンダは、キャリアなどそれぞれ敗因はあっても、基本のマイル戦でこれだけ差がついては、底力(素質)の差ともいえる。

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1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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