つい10年ほど前までに、億単位の種牡馬導入は牧場や組合にとり命運をかけた取り引きだった。もちろん、いまもそれは変わらないが、リース契約や、シャトル種牡馬が珍しくなくなると同時に「これは失敗かもしれない…」となると、まだ評価が絶望的に落ちる前に、また、他からオファーがあるうちに、再輸出も珍しくなくなっている。
以前は2〜3年に1頭もいれば話題になった逆輸出、再輸出の種牡馬が、最近はまったく珍しくない。リースのあと、再輸入もあったりする。今話題のザグレブ(コスモサンビーム、同バルクの父)を筆頭に、思いつくだけでも、アラジ、カーネギー、ゴールデンフェザント、トワイニング、ブロッコ、エルハーブ、コタシャーン、ハートレイク…など。
中山11Rのマイネルアムンゼンの父ペンタイアも輸出が決まったという。コスモインペリアルの父タイトスポットも昨年、もう輸出されている。
ペンタイア(父ビーマイゲスト、その父ノーザンダンサー)は、マイネルアムンゼンが最初の重賞勝ち馬だったぐらいで、確かにあまり成功とはいえなかった。一流の競走成績と異なり、意外に底力がなかったり、また、スピードがもう一歩だから下級条件のダート馬が多かったりして、キングジョージや、愛チャンピオンSの勝ち馬らしい迫力を伝えなかった。
しかし、多くの種牡馬にとり、サンデーと時期が同じだったのはあまりに大きく、ワリを食った種牡馬がいっぱいいる。ペンタイアなどその筆頭だろう(最初、社台スタリオンSにいた)。売られたり、急死した種牡馬の産駒が走るというのは、印象の問題で根拠はないが、マイネルアムンゼンはもっと走る気がする。前走は初コースでもまれすぎた。
過去、4勝の主戦蛯名騎手に戻り、良績ある中山コース。巻き返してくれそうだ。
追いかけ続けているコスモインペリアルも今回、思ったより動きがいい。